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韓国映画『太陽の下で-真実の北朝鮮-』

投稿日:2017年1月21日   

 

以前、テレビでこの映画が紹介されたとき、とても興味深く思わず見入ってしまった。
…が、日本で公開されることはないと思っていた。

ロシアの映画監督がそれこそ命がけで撮った…というか、隠し撮りした北朝鮮のドキュメンタリー映画『太陽の下で―真実の北朝鮮―』

貴重な作品ゆえ、注目度がとても高く、プレス試写会は満員御礼だった。
いよいよ、今日から劇場公開される。

 
『太陽の下で-真実の北朝鮮-』
 (原題:『V paprscích slunce』2015年/チェコ、ロシア、ドイツ、ラトビア、北朝鮮合作/110分)
『太陽の下で』メイン
© VERTOV SIA,VERTOV REAL CINEMA OOO,HYPERMARKET FILM s.r.o.ČESKÁ TELEVIZE,SAXONIA ENTERTAINMENT GMBH,MITTELDEUTSCHER RUNDFUNK 2015

2017年1月21日(土)、シネマート新宿ほか全国ロードショー

詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。

 


 

映画あらすじ

 
本作は、ロシアの監督が“ありのままの北朝鮮”を撮影しようとカメラを回したもの。

 
8歳のジンミは模範労働者の両親と共に平壌で暮らしている
太陽の下で_サブ2

父親は縫製工場のエンジニア。母親は乳製品工場の職員。
…というのは、北朝鮮当局による設定で、この家の食器棚にも何も入っていなかったと監督は違和感を暴露している。

すべて北朝鮮政府による過度な演出であり、監督はこの国の“リアルな日常”を収めようと、密かにカメラを回すことに。

こうしてカメラの電源を入れたまま街中に出てみると、偽りのイメージは完全に崩壊。
北朝鮮の人々が、日常まで完全に演出されていることが浮き彫りに。

 
ジンミは幸せなんだろうか?
太陽の下で_サブ1

最後にジンミが見せた表情がすべてかもしれない。

 
*****
誰が名付けたのか、中国で北朝鮮の金正恩は「三代目のデブ」と呼ばれているとか。
初めてそれを知ったとき、かつて泰葉が春風亭小朝につけた「金髪ブタ野郎」というネーミングに匹敵するのではないかと思った。

本作は韓国映画ではなく、そんな三代目のデブの国“北朝鮮”のドキュメンタリー映画。

撮っているのはロシアの監督でも、演出しているのは北朝鮮当局。
その過度な演出があまりにも稚拙で、本作は冒頭から違和感の連続。

食事のシーンではご丁寧に、父親がジンミにキムチの効能を説明している。
「200gのキムチと700mlの汁を摂ると一日に必要なビタミンの半分を摂取できる。おまけにキムチは老化防止とガン予防に効果的」と。

「知っているよ~」と答えるジンミ。

父親の「ジンミはよく読書しているからな」の一言で一同、大爆笑!
そう、このシーンは一応、笑うところ(笑)。

これを何度も練習させられ、シーンを撮り終えると、おかず盛りだくさんの豪華な食卓はさっさと片付けられる。
なんとも事務的で、その様子のほうがよほど面白い。

こんな調子で、業を煮やした監督が隠し撮りを始めるが、私たちがまず知ることのできない光景が映し出されているので貴重な1本といえるかも。

娯楽映画ではないので、気軽に「オススメ」とはいえないけど見る価値はある。

政府によって統制されている北朝鮮と、大統領が職務停止になっている韓国。
同じ朝鮮半島ゆえ、どちらにも“ヘル朝鮮”って言葉が当てはまっちゃうあたり皮肉だなーと思った。

 
オススメ度 ★★★★☆

JSA 4Kデジタルリマスター版/Blu-ray 
 この作品から16年―。

それにしても、最近、報道で目にする北朝鮮兵士は痩せっぽちばかりだなー。

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