映画の秋。
今週末、新たに韓国映画が公開される。イム・シワン主演の『戦場のメロディ』。実在した「海軍児童合唱団」をモチーフにした作品。
『戦場のメロディ』
(原題:『兄への思い』 2015年/韓国/124分)
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2016年10月29日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次ロードショー
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
1945年夏―。日本の植民地支配から解放された朝鮮半島に「韓国」と「北朝鮮」の二つの政府が誕生。
双方は激しく対立し、1950年6月に朝鮮戦争が勃発する。
翌年夏、サンヨル(イム・シワン)は韓国軍の小隊長に
ところが北朝鮮軍の奇襲攻撃を受け、一瞬にして仲間たちを失ってしまう。
翌年、心に深い傷を負ったサンヨルは釜山の部隊に転属
司令部の命令で建設された孤児院の管理を任される。
孤児院の若き院長ジュミ(コ・アソン)と出会うが―
彼女は“カギ爪の男”と呼ばれるカルゴリ(イ・ヒジュン)の元で働かされている戦争孤児たちの惨状に心を痛めていた。
サンヨルも両親を奪われた子供たちの苦難に衝撃を受ける
そして彼は戦争孤児を集めた「ソルリン児童合唱団」を結成。
強欲なカルゴリは見返りを期待して子供を合唱団に差し出すが、父親が命を落としたことで自責の念にかられているスニは歌おうとしない。
それでも少しずつ笑顔を取り戻していく子供たち
見事なハーモニーを奏でるようになり、戦地での慰問公演も決まるが―。
*****
200万人もの犠牲者を出した朝鮮戦争。本作は冒頭から残酷。
なんの罪もないのに愛する家族を簡単に奪われていく。
ある者は家族を殺され、ある者は自身の体の一部を失う。
こんな異常な状況なので、登場する悪人も憎み切れない。悪事こそ、彼らが生きていくための手段だから。
何をするのも“生きていくため”。そこに選択肢はない。
そして大人たちが始めた戦争で犠牲になっていく子供たち。
目の前で家族を殺され、誰もが心に傷を負ってる。
今、帝国劇場で上演中のミュージカル『ミス・サイゴン』とかさなる部分もあった。
これほどの深い傷を“歌”で癒せるものだろうか。
そう思わなくもないけど、ほかに術のない当時だからこそ心に染み入った。
歌うことで幸せだった頃を懐かしみ、聴くことで心を和ませる。
見上げた空には一面の星が…。
死んだ人は星になるという。
だとしたら、自分が生きている限り、夜になれば逢えるね…。
オススメ度 ★★★☆☆
ミセン -未生- DVD-BOX1 シワンの快進撃が止まらない。 |