韓国映画

韓国映画『The NET 網に囚われた男』

投稿日:2017年1月6日   

 

年明け早々だけど、衝撃作が日本でも公開される。
韓国映画『The NET 網に囚われた男』

残酷すぎて、めでたい正月気分は吹っ飛ぶと思われる(汗)。

 
『The NET 網に囚われた男』
 (原題:『網』2016年/韓国/112分)
『The NET 網に囚われた男』新メイン
©2016 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.

2017年1月7日(土)よりシネマカリテほか全国順次公開

詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。

 


 

映画あらすじ

北朝鮮の寒村で妻子と暮らす漁師チョル(リュ・スンボム)。
生活は貧しいが、平凡な日々を送っていた。

その朝もボートで漁に出るが、魚網がエンジンに絡まり、ボートのモーターが故障。チョルの意に反して、ボートは韓国側へと流されていく。

 
韓国警察に拘束されたチョル
「The NET 網に囚われた男」sub1

スパイ容疑で取り調べ官(キム・ヨンミン)から執拗な尋問を受けることに―。
その取り調べは残忍なものだった。

 
監視役の警護官オ・ジヌ(イ・ウォングン)はチョルに同情
「The NET 網に囚われた男」sub2

家族の元に帰りたいと願うチョルの潔白を信じる。

そんなとき、チョルはソウルの繁華街に放置された。彼は経済的に繁栄しているはずの韓国社会の矛盾に気づく。

資本主義国家の誘惑を退けていたチョルは、やがて北朝鮮に送還される。
だが彼を待ち受けていたのはいっそう過酷な運命だった―。

 
*****
人は生まれてくるときに親も選べないけど、国も選べない。
そんな当たり前のことを痛感した1本だった。
自分が日本に生まれてきて幸せだから、普段はそんなことを考えてもみないけど。

原題の『網』というタイトルが素晴らしいと思った。
“網”とは私たちにとって何なのか…。
エンドロールが流れる頃には、タイトルの素晴らしさより、チョルの人生の虚しさに絶望感しか覚えなかったが。

チョルが北朝鮮で貧しくとも、何も知らずに日々を過ごしていたなら、それはそれで幸せだったかも。
けれど、南の韓国社会を見てしまう。

ただ、そこはキム・ギドク監督。
韓国の魅力よりむしろ、ダークサイドを強烈に描いていて、このあたりが面白い。「目クソ、鼻クソ」みたいで。

チョルは北朝鮮に戻るが、彼は以前とは違うし、彼を取り巻くもの、すべてが違ってくる。
韓国でつらい思いをして帰ってきたのに、安堵できるはずの自国はもっと過酷という。まさに、往復ビンタ状態。

そんなこんなで、本作に限らず、キム・ギドク監督作品はどれも、人に「オススメ」とは言いづらいというのが本音。
フツーの人が見たくない現実を映し出していて、ときに恐ろしいぐらい残酷なので。

「韓国、大好き♡」という方が見ても、楽しさはまず見いだせないわよね。

見終わった後、スカッとするわけでもなく、希望の光が感じられることもない。むしろ嫌な気持ちになる(笑)。

映画に娯楽性を求めている方にはオススメできないけど、「興味がある方はぜひ見てください」という感じ。

 
オススメ度 ★★★☆☆

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 キム・ギドク監督を語る上で外せない作品。
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