限りある命。皆さんは誰とどのように過ごしたいですか?
そして、どのような最期を迎えたいですか?
見終わったあと、そんなふうに自問自答してしまった映画。
簡単に言ってしまうと、おじいさんとおばあさんたちの愛と友情の物語…ってことになるんだろうけど、最後には大きな感動が胸に残り、涙が止まらなかった。
『拝啓、愛しています』はいよいよ今週22日(土)より公開。
くれぐれも一人では見ないでください。どうか大切な人と一緒に。
恋人や家族、友達でもいい。大切な誰かと一緒に見てほしいと思う。
『拝啓、愛しています』
(原題:『あなたを愛しています』 2011年/韓国/118分)
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12月22日(土)よりシネスイッチ銀座、シネマート新宿ほか全国で順次公開予定!
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
マンソク(イ・スンジェ)はオンボロのバイクで牛乳配達をしながら小遣い稼ぎをするおじいさん。毎朝、リアカーを引いて古紙回収をしている同年代の女性(ユン・ソジョン)が気になっている。
本当は優しいのに、どこか威圧的な態度で女性に接するマンソク。
でも二人の距離は徐々に縮まっていく。
そんな二人を見守るグンボン(ソン・ジェホ)
グンボンは駐車場で管理人の仕事をしながら、認知症の妻の介護をしていた。
グンボンはとても優しい夫。昔と変わらぬ愛情で妻を包み込んでいる。
3人もいる子供は戦力外だった。親孝行するどころか誰も家に寄り付かない。
ある日、行方不明になったグンボンの妻(キム・スミ)をマンソクが偶然に助ける。それをきっかけに、支え合うようになる4人。
残された人生は長くないかもしれない。だから幸せに生きたい。
そう思っても「愛してる」という言葉を口にできないマンソク。
それは亡き妻への自責の念があったから―
4人の穏やかな生活は長くは続かなかった。
やがて訪れる決断のとき―
生きていくことと、老いていくことをリアルに考えさせられた。
原作は人気漫画家カン・プルの作品『あなたを愛しています』。
ちなみに原題の「あなた」は、“タンシン”ではなく“クデ(きみ)”という言葉を使っている。
*****
小さい頃から私は“老いていくこと”に恐怖を感じていた。
それは認知症になってしまった祖母の姿を見ていたから。
ドラマや映画の中で韓流スターが病気になっても、記憶を失ってもその姿は美しかったりするけど、現実はソレとは大きくかけ離れていて、やはり本人はもちろん家族も大変。
グンボンの妻の姿も決して他人事とは思えなかった。
ただ、この映画を観てドヨ~ンと悲観的になることはなかった。
それはシニア世代のピュアな恋愛にドキドキしたり、無邪気なグンボンの妻が笑わせてくれたから。
こうした要素が絶妙のバランスで組み込まれていることで、4人の魅力がキラリと光る。本当に素晴らしい作品だった。
監督はチュ・チャンミン氏。最新作はなんと、来年2月に日本でも公開される『王になった男』(イ・ビョンホン主演)。
日本で未公開だったけど、私は『マパド』という映画も相当笑えてかなりツボだった。
正直、今も老いていくことは寂しいことでもあると思ってる。
ただ…、一方で大切な人がそばにいる喜びや、人と支え合って生きていくことの幸せも実感できた。
人は幾つになっても輝きを失わないでいられる。
韓国映画界から少し早いクリスマスプレゼントをもらった気分。
オススメ度 ★★★★★
王になった男 DVD こちらも見ごたえある作品。 |