台湾入りの時期と重なるため見送る予定だった作品だけど強く勧められ、しかも良席のチケットまで…(涙)。
ありがとう♡
というわけで、スケジュール的にも体力的にもかなり無理して見に行った作品。
その甲斐があった。劇場で打ちのめされたよ。
ミュージカル『パレード』
公式HP
観劇後、すごーくイヤな気持ちになった作品。
すごーくイヤな気持ちになりながらもすべてが印象的で『アラジン』も『ギャッツビー』も『レミ』も一気に吹き飛ばされた。
こんな作品を日本で見られるなら、韓国にわざわざ観劇しに行く理由もないかなーと思えたほど。
1910年代にアメリカ南部で実際に起きた事件を扱った作品。
それは、人種差別が招いた冤罪事件。
こんな実話をミュージカルにするとは…。
帰宅後、思わず事件のことを検索せずにはいられなかった。
知れば知るほど、本当に救いようがない。
劇場では嘘を真実に変えていく人々の残酷さを思い知り、絶望する一方で、楽曲の素晴らしさに驚かされた。
音楽と演出、役者の歌唱力、演技…どれも秀逸で、悲惨な事件をも最高の作品に作り変えていく。
回り舞台での見せ方と、大量に降り注ぐ紙吹雪も効果的。
気づけば紙吹雪はセットの一部になり、鮮やかに見える分、事件の闇が際立つ。
そうして私たち観客の胸に刻まれる。
殺害された少女メアリー・フェイガンは最後にどんな言葉を残したのだろうか。終盤での再現シーンにゾワッとさせられた。
終わってみると、テーマは悲惨極まりないのに最高傑作に。。。
再演があればもちろん行きたい。
そのときも同じキャストでありますように!
どの役もこの人じゃなきゃ絶対にダメ!と思えるぐらい、誰もがピタリとハマっていたから。
骨太な『パレード』の作品力は、石丸フランクと堀内ルシールをはじめ、素晴らしいキャストの歌声と演技の上に成り立っていると感じた。