ここ最近、ミュージカルに関することをまったく書いていなくて「忙しくて見に行けないの?」とよく聞かれるが、全然そんなことはない。
今月だけで8本ほど見ている。
この調子なので、今年の上半期は結構な本数を見ていると思う。
が、それをUPしている余裕がなかった(汗)。
これだけ見ていると1本1本の印象が薄れがちだし、財布のひももかたくなるんだけど、友だちが「『シルバースプーンに映る月』が気になる」と言い出して…。
正直言って、私はそれほど気になる作品でもなく「ふーん」って感じだったが(笑)、良席のチケットをお願いできそうだったので結局行くことに。
この判断は大正解だった!
すごく気に入ってしまった。これは再演があったら「ぜひまた見に行きたい!」と思ったよ。
東京公演は今月30日(日)まで。どうやら当日券も購入できるみたい。
詳しくは、ぜひ公式HPをご覧ください。
『シルバースプーンに映る月』
ジャニーズの坂本くんが主演のラブコメ。一方でサスペンスの要素も。
冒頭はなんだか恐い印象を受けたけど、「一体なにが起こるんだろ?」と思って見ているうちに、笑いが起こるようになった。
舞台は瀟洒なお屋敷。
坂本くん演じるのは金持ちの放蕩息子。その義兄役が鈴木綜馬さん。
コンシェルジュ役の戸田さんは、その鈴木さんと結婚したがっているという設定。
新妻聖子ちゃんは戸田さんの隠し子で、突然お屋敷に電話してきたからさぁ大変!
戸田さんはお屋敷で自称「35歳」。30歳の娘が現れたら身も蓋もない…。
と、こんな感じで、とにかく人物設定からして脚本が面白い!
脇を固める人たちも単なる脇役でなく、それぞれが事情を抱えていて皆が主役と思える内容に仕上がっていた。
しかも歌が軽快で耳になじみやすく、初めて聴くナンバーという感じが全然しない。
さらに、ピアノとアコーディオンの生演奏つき。
ピアニストの方が舞台を見ながら俳優や女優さんの動きに合わせて弾き始め、絶妙のタイミングで音を響かせているのが印象的だった♪
皆さんも歌と演技が本当に上手
何度も大笑いしてしまった。
そして新妻聖子ちゃん。グローブ座という若干小さめの空間で、しかも間近で彼女の歌声を耳にできるとは。
なんという贅沢。素晴らしい歌声を聴かせてくれる。
坂本くんもこんなに間近で見たのは初めて。テレビで見るよりも背が高くてスマート。実物のほうがずっとカッコいいね。放蕩息子の役が似合う。
上口耕平くんと踊るタンゴも必見!
すごいんだけど、コミカルなシーンになっている(笑)。
ソウルから戻って以来、のんびりしている余裕もなかったので特にストーリーを予習したりしなかったけど、とても分かりやすい内容で予備知識がなくても大丈夫だった。
お屋敷に出る幽霊の謎や人間関係、そして大きな勘違いが登場人物を驚かせ、観客である私たちを笑わせてくれる。
本当の悪人もいないし、一人一人のキャラも好きだった。
カテコはもちろんスタンディングオベーション。
舞台上に惜しみない拍手が送られていた。
誘われなかったら、たぶん観なかったであろうミュージカル。
帝劇の『レミ』もいいけど、こういう作品との出会いも本当に嬉しい。