今年1本目の韓国映画『哀しき獣』。今週7日(土)から全国公開される。
『チェイサー』のナ・ホンジン監督の最新作。同じく『チェイサー』で主演したハ・ジョンウ&キム・ユンソクが再び激突。
すでにハリウッドでのリメイクが決まっているのはさすが!
けど、登場人物らに共感できるかどうかは別の話。これは男性と女性とで鑑賞後の感想が真っ二つに分かれそう。
『哀しき獣』(原題:黄海)2010年/韓国/140分)
(c) 2010 WELLMADE STARM AND POPCORN FILM ALL RIGHTS RESERVED.
今週1月7日(土)より、シネマート新宿ほか全国ロードショー
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
ここは韓国ではなく、中国にある朝鮮族自治州。
タクシー運転手として働くグナム(ハ・ジョンウ)
ただでさえ生活が苦しいのに、ギャンブルに負けて借金まみれに。
そのグナムを救ったのがミョン(キム・ユンソク)
ミョンは犬商人だが、実は請負殺人のブローカー。
「ソウルで人を殺せば借金をチャラにしてやる」とグナムに持ちかける。
グナムに選択の余地はない。彼は借金をチャラにするだけでなく、ソウルに出稼ぎに行ったきり音信不通となった妻も捜したかった。
グナムはやむを得ずミョンの取引を受け入れ、密航船で黄海を渡ってソウルに。
だが、ソウルで殺そうとした男は目の前で何者かに殺されてしまい、グナムは警察から追われる身に。しかもミョンの裏切りで中国にも戻れず―。
エンドロールにも重要なシーンが残されているのでお見逃しなく!
これを観ないと映画の感想は全然違ったものになると思われる。
ほかにも重要なシーンを見逃さないように!
*****
グナム役のハ・ジョンウが満身創痍で走り回る。もはや人間とは思えない。相当なケガを負っているはずなのに、次のシーンでは驚くほど回復しているし。
キム・ユンソク演じるミョンもエイリアン並み。全然くたばらない。
ほかにも事件の鍵を握るキム・テウォンという男が出てくるんだけど、男って一体…と、思わずにいられない。
最後まで観て「上手い邦題をつけたな」と、率直に思った。
共感はできなかったけどね(笑)。
出てくる男たちの誰もがとにかく胡散臭い。信じてもろくなことがないと想像できるのに運命に逆らえない男たち。しかも男の嫉妬って怖~い!と思わせる作品だった。
かつて山崎豊子の『白い巨塔』でも男の嫉妬が描かれていたけど、あっちは出世欲だから理解できる。けど、こっちの嫉妬の原因は!?
男性は共感できるかもしれないけど、女性目線では「えーっ!」と理解に苦しむかも。
ただ、あんまり共感できなかったわりには最後まで飽きることなく、ラストに用意されたサプライズを楽しめた。
「だったら文句言うなよ!」って言われそうね(笑)。
オススメ度 ★★★☆☆