日本でも本日より公開。韓国映画『高地戦』。
韓国に行くとあまりにも平和で、今も北朝鮮との間に緊張状態が続いていることを忘れがちだけど、朝鮮戦争はまだ終わっていない。
そんな事実をあらためて思い出すと同時に、休戦協定が結ばれてから起こった悲劇を知ることになる。
『高地戦』(2011年/韓国/133分)
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10月27日(土)より、シネマート新宿、シネマート六本木ほかにてロードショー!
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
『高地戦』というタイトルは原題のままなんだけど、ストーリーは英題の『The Front Line』がピッタリかも。
映画あらすじ
1953年、朝鮮戦争末期―。
停戦協議は難航していた。ウンピョ(シン・ハギュン)は激しい攻防が続くエロック高地に北朝鮮人民軍の内通者がいると知り、現場に向かう。
そこで親友のスヒョク(コ・ス)と再会
けれど異例の出世を果たしたスヒョクは以前の彼とはまるで別人のように…。
長引く戦争に、死体で埋め尽くされた高地
板門店ではようやく停戦協定が結ばれるが、喜ぶのはまだ早い。
この協定が効力を発するのは調印してから12時間後。そのときの最前線が軍事境界線になる。
停戦が決まってから下された最後の出撃命令に、多くの兵士が絶望し、死を覚悟することに―。
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震災のあと、東京電力本社から無茶な指示を出す偉そうな幹部たちと、福島原発の現場で混乱する作業員の方たち。
ニュース番組で見たこの映像と、今回の作品には通ずるものがあると思った。
「戦争は会議室で起きてるんじゃない。戦場で起きているんだ!」と思わず言いたくなるような状況。
要は、どこの国のお偉いさんたちも、現場でどれだけ多くの犠牲者が出るかなんて一切考えないってこと。
それにしても、戦争映画って難しい。どうしても激しい戦闘シーンが続くので、間延び感が出てしまう。特に終盤は「またか」と思うほどそういうシーンが続く。
けど、ここでキッチリ描かないと戦争の悲惨さや虚しさが今の私たちには伝わらない。
『プラトーン』や『プライベート・ライアン』並みの残酷なシーンがあり、観る側にも覚悟が必要。
ちなみに、青年大尉役はイ・ジェフン。今週入隊したばかり。
本作では丸刈りだけど、韓国でとても注目されている俳優。すごい存在感。
戦争は何も生み出さない悲惨なものに違いないが、この戦争の場合、一番の悲劇はやはり同じ民族同士で銃を向け合ったこと。
元々は米ソ対立の代理戦争だったはずなのに…。
オススメ度 ★★★☆☆