韓国映画

韓国映画『スリープ』

投稿日:2024年6月26日   

 

故イ・ソンギュンの遺作のひとつ『スリープ』が日本で公開される。
思うことはいろいろあるが、まずは作品について。

 
『スリープ』(2023年/韓国/94分)
韓国映画 スリープ イ・ソンギュン チョン・ユミ 遺作 カンヌ国際映画祭
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2024年6月28日(金)よりシネマート新宿ほか全国公開

詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。

 


 

映画あらすじ

出産を控え、幸せな結婚生活を送るヒョンス(イ・ソンギュン)とスジン(チョン・ユミ)。
ある夜、隣で眠る夫ヒョンスが突然起き上がり「誰か入ってきた」と呟いた。

不穏な気配を感じて以来、眠りにつくたび、人が変わってしまったかのように奇行を繰り返すヒョンス。
異常行動は日を追う毎にエスカレートしていく―。

 
*****
好きだった俳優イ・ソンギュンが亡くなって半年になる。
あの独特の声も表情も演技も、唯一無二の俳優だったと思う。半年が過ぎてもまだ喪失感は拭えない。

イ・ソンギュンの追悼コラムは日刊ゲンダイにて3日間に渡って書いた。
亡くなってからすでに3ヶ月が過ぎていたので、ニュースの鮮度が大事な編集部としては「今さら故人の訃報かよ」と思わなくもなかっただろうが、そんなことは関係ない。どうしても書いておきたかったのだ。

けれど、今は「悲しむのはもうやめよう」と思っている。
天国にいる故人がそれを望んでいないだろうと感じたからだ。

私はイ・ソンギュンが亡くなってからの半年間、彼の出演作を見直したいと思っても意識的に避けていた。
やはり、どうしても思い出してしまう。
彼が亡くなる前の数ヶ月を。
一体、どんな思いで過ごしていたのだろう?と想像せずにはいられない。
そんな思いもあって、コミカルなシーンを見ても泣いてしまいそうな気さえしていた。

けど、天国にいるイ・ソンギュンからしたら、それははた迷惑な話だろう。
「いやいや、今も悲しんでいるのはアナタの勝手で、もっと作品を観てくれよ」と思っているに違いない。

そう。生前、イ・ソンギュンは本当に多くの作品に出てきた。
今、彼がこの世に存在しないとしても、作品の中では生き生きとしたイ・ソンギュンに会えるのだ。彼はきっと観てほしいだろう。これからもずっと。

そう思い始めた矢先に映画『スリープ』の公開が決まった。
私の勝手な思いとしては日刊ゲンダイに追悼コラムを書く前に公開情報を知っていたかったが、こればかりは仕方ない。

『スリープ』は寝ている間に怒る奇っ怪な出来事を描いた映画。ミステリーともホラーともいえない、どっちつかずの作品だが、カンヌ国際映画祭では高く評価され、あのポン・ジュノ監督も絶賛。

韓国では去年9月に公開され、147万人を動員。イ・ソンギュンをめぐる事件が報道されたのはその翌月だ。

 
ちなみに、私が初めてイ・ソンギュンを取材したのは2008年のこと。
韓国ドラマ『白い巨塔』のPRで、キム・ミョンミンと来日したのだ。

第一印象はとてもよく、なおかつ姿勢の良さを見たカメラマンが「背中にまな板でも入れてるんじゃないか」と笑っていたのを覚えている。
以来、私の中ではイ・ソンギュンといえば、“背中にまな板”の印象だった。

そうかと思えば、バラエティ番組では自身の足の臭さを告白。
バスケの試合で足を怪我した際、チームメイトが彼の靴を脱がせたが、足の臭さに皆が後ずさりしたと打ち明けたのだ。
それ以来、よく洗って管理していると番組で話していたが、取材でも感じたそのギャップこそが面白く、人を笑わせることが大好きな印象。

だから、イ・ソンギュンを思い出すたび悲しんでもいられないのだ。

とはいえ、『スリープ』については“ポン・ジュノ監督も絶賛”というのがハードルを高くしてしまい、少しあっけなさを感じなくもなかった。特に結末が。

 
オススメ度 ★★☆☆☆

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