ドラマ『ミセン-未生-』でも、韓国で正社員になることがいかに難しいかを感じたが、こちらの映画でも不当解雇をめぐって女性たちが闘っている。
『建築学概論』の制作会社が2007年に起きた実話に基づき、韓国の労働者が置かれている過酷な状況を映画化した『明日へ』。
『明日へ』
(原題:『カート』/2014年/韓国/104分)
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2015年11月6日(金)より、TOHOシネマズ新宿ほか全国で順次公開!
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
スーパーマーケット「ザ・マート」に入社して5年目―。
レジ係のソニ(ヨム・ジョンア)は正社員に昇格することに
夫が出稼ぎに出ても家計は苦しく、長男のテヨン(D.O.=ト・ギョンス)と幼い娘の育児と家事に追われながら、スーパーで夜遅くまで残業する日々だった。
けれど、これで息子の携帯電話をスマホに買い替え、修学旅行に参加させられると、ソニは安心していた。
ところが、ある日「ザ・マート」の会社幹部が、女性従業員の業務を外部に委託することを決定。それによって、ソニを含む女性従業員の解雇が突如決まる。
一方的な不当解雇に憤った女性従業員たちは労働組合を結成。
ストライキに突入!
会社がこの大量解雇を撤回するまで店を占拠する。
一人の力では何もできない彼女たちも団結することで士気を高めていたが、やがて各自が抱える現実的な問題に直面する。
会社からの提案により、新たな選択も―
結成した労働組合に分団の危機が迫るのだった―。
*****
07年6月、大財閥イーランドグループの女性従業員500名が突如、雇用契約を打ち切られ、大型スーパー「ホームエバー」(ワールドカップモール店)を占拠した。
社会運動団体や学生運動家、政治家が彼女たちを支援したが、警察は二度に渡って強制鎮圧。映画にも出てくるけど、彼女たち組合員のテントを放水車で攻撃するなど容赦ない。けが人も続出し、入院する人までいたとか。
さすがに会社と警察の対応は非難されたが、なんと闘いは翌年の11月まで続いたそう。
韓国の雇用の不安定さを目の当たりにした感じ。
『ミセン-未生-』のときと同じく、私はこの国に生まれなくて本当によかったと痛感した。
どんなに頑張って勉強し、努力しても、よほど運が良くないとこの国では安定した職を得られそうにないから…。
そりゃ、もちろん日本だって仕事は大変だけど、韓国よりはまだ選択の余地がありそうな気がする。
本作の明るい話題としては…
EXOのD.O.(ディオ)がスクリーンデビュー
エンディング「叫び」も披露している♪
オススメ度 ★★★☆☆