EXOのスホのスクリーンデビューとか、神話のドンワンが出演とか、なんとなくタイトルの印象からも“さわやかな青春映画”を連想しがちだけど、そうした期待は見事に裏切られた。
『グローリーデイ』で“青春”を感じられるのは序盤だけ。
途中から様相がガラリと変わり、だからこそ残酷さが際立ち、印象的だった。
今週末より日本でも公開される。
『グローリーデイ』
(英題:『One Way Trip』2015年/韓国/93分)
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2016年10月8日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
二十歳になったばかりのヨンビ(ジス)
彼は、親友のジゴン(リュ・ジョンヨル)やドゥマン(キム・ヒチャン)と旅行を計画。
それは入隊するサンウ(スホ)を見送るための旅―
4人は浦項の海辺で現実を忘れ、自由を満喫する。
だが、楽しかったのも束の間
彼らは思いもしない事件に遭遇する
4人一緒なら何一つ怖いものなどなかったが―
友だちがすべてだったヨンビは信じられない光景を目にする
母親に逆らえない浪人生ジゴン
父親のコネで大学に入ったドゥマンも放心状態。
そして大学進学の代わりに入隊を選んだサンウは―。
*****
ハッキリ言って、不完全燃焼感100%の映画だった。タイトルがまた皮肉よね。
原題が“Glory Day”なのに対し、英題としてつけられたのが“片道切符”だから。この点、映画を見るとストンと落ちる。
…が、とてもイヤな気持ちになり、そこに救いは見出だせない。
ただ、これこそリアルなお話なのかも。
きっと現実の世界はこうなんだって思い知らされる。そんな作品だった。
ほとんどのドラマや映画はフィクションなので、最後に一応は希望を感じさせたりするけど、現実ってそんな甘いものじゃない。
真実がどうであれ、物事は力のある人の都合のいいように運んでいくもの。
本作では、20歳になった青年たちがそんな厳しい現実を突きつけられるわけで、「これが君たちが生きていく社会なんだよ」と教えられたような、そんな感じがしてゾッとした。これも韓国社会の持つ一面よね。
彼らは自分の人生を大きく変えてしまう出来事にぶち当たり、もはや友情だの正義だのとは言っていられない。
そんなとき、自分だったらどうするのか。
イヤーな気持ちになりながらも、そんなことを考えた。
オススメ度 ★★★☆☆
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