序盤からすごく緊張しながらストーリー展開を見守った『生き残るための3つの取引』。
ちょっとテイストがイ・ビョンホン&チェ・ミンシク主演の『悪魔を見た』に似ている。…と思ったら、同じ脚本家の作品だった(笑)。
こうした見ごたえあるストーリーに仕上げる脚・本・力!
素晴らしいと思う。
よほど力んで観ていたのか、エンドロールを迎えると同時に放心状態にw
「韓国のタランティーノ」といわれるリュ・スンワン監督の作品。
主演はファン・ジョンミンとリュ・スンボム。もちろん韓国でもヒットした。
『生き残るための3つの取引』(原題:『不当取引』/2010年/韓国/119分)
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4月29日(祝・金)より銀座シネパトス、シネマート新宿ほか全国ロードショー
配給:CJ Entertainment Japan
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
警察庁広域捜査隊の刑事チョルギ(ファン・ジョンミン)
優秀だが警察大学出身という学歴がないため出世できない。
そのころ連続殺人事件犯逮捕に失敗した警察は、犯人をでっち上げるという暴挙に出る。
チョルギにその白羽の矢立つ
上司の命令で昇進を条件に女児連続殺人事件の犯人をデッチ上げることになる。
裏工作を引き受けるチョルギだが―
チュ検事(リュ・スンボム)にそのことをかぎつけられる
そもそも一人の男を無理やり犯人に仕立て上げたのだ―
ボロが出てくるのも当然のこと。
だが、チュ検事も決してまともな人間じゃなかった。←実は汚職まみれ。
叩いたらホコリだらけで「臆病だから検事になったんだ」とチュ検事。
チョルギはチュ検事にも取引を持ちかけることに―。
*****
まぁ、こんな調子なので、二人の男に安っぽいハッピーエンドが訪れるはずもなく、狂った歯車はついに破滅に向かって加速するわけ。
何がスゴイかって言ったら、終盤にかけてストーリーが二転三転するところ。
私たち観客も見事に振り回された末、驚愕のラストを迎える。
深い哀しみを背負ってしまった男チョルギの最後の姿に脱力感も覚えた。一人の人間が堕ちていく様というのは、これほどまでに虚しいものなのか…と。
元々は有能で真面目な刑事。でも学歴がないから出世できない。
弱肉強食社会の現実ってそんなもの。
犯人がいないなら作ればいい。
欲しいもの、守るべきものがあると人は簡単に変わってしまうよね。
裏社会で強引に犯人を捏造。
ここで登場するチャン・ソック役はユ・ヘジン
映画には関係ないけど、美人女優キム・へスとは破局した。
もう、やぶれかぶれ。
うまくいかない時はすべてがダメになる…。
教訓になるわー。
オススメ度 ★★★★☆