たぶん今年見た韓国映画の中で一番強烈。キム・ギドク監督作品もここまで来たか！って驚いたし、もしこの映画を「オススメ」なんて言った日には…。
「この人は一体どんな神経をしているんだ」と思われそうｗ
こんな超問題作、よく公開にこぎつけたなーというのが率直な感想。
そんなこんなで、異色の映画『メビウス』がついに今週末から日本でも公開される。もちろん18禁！
この映画と比べるとソン・スンホンの『情愛中毒』なんてカワイイもん。
観られる方は覚悟して劇場に向かってね～。
『メビウス』（2013年／韓国／83分）
C）2013 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.
今週12月6日（土）より新宿シネマカリテほか全国公開！
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
全編セリフなし。聞こえてくるのは、生々しい音のみ。
だから余計に、登場人物の表情を見ただけで、その“痛み”がリアルに伝わってくる。それは想像しただけでゾッとする“痛み”（汗）。
↑の画像から伝わってくるように、狂気に満ちた家族の物語。
目がイッちゃっているけど、この女性は上流家庭の奥様（イ・ウヌ）。
彼女が半狂乱になったのは、夫（チョ・ジェヒョン）のせい
近所に住んでいる女（こちらもイ・ウヌが演じている）と浮気しているから。
嫉妬に狂った妻はついに夫の性器を切り取ろうとするけど失敗。
怒りの矛先を唯一まともな息子（ソ・ヨンジュ）に向け・・・
彼の性器に刃物を立てる。
母親によって性器を切り落とされ、痛みに悶絶する息子…。
やがて母親は家を出ていき、家には父親と息子だけが残る。
罪悪感に苛まれた父親は愛人と別れ、手術して自分の性器を切ってしまうが、そんなことをしても息子は立ち直れない。
それもそのはず。彼は男として大事なものを失い、絶頂に達することができなくなってしまったのだから―。
ところが父親の愛人だった女に誘われて、息子にも変化が―
破滅に向かっていく家族に救いはあるのか？
*****
こんな内容で、この後、思いもよらぬ方向に話が展開していくけど、これ以上は書けない。
この映画は見ないと何も始まらない。観た人にしか分からない独特の世界観。
そもそも、この映画。パンフの1ページ目からしておかしいのよね。
家族とは何か。欲望とは何か。性器とは何か。
家族、欲望、性器は全て一つのものから始まっている。
えっ、監督、そこ！？
家族と欲望は分かる。でも次がいきなり性器って…。そりゃないよ。
飛躍しすぎじゃね！？
この映画、インターナショナル版から12カット（50秒）分を削って韓国で上映されたけど、日本版はそれよりさらに7分も短くなっている。
これについて宣伝会社に問い合わせ、理由を聞いてみた。
インターナショナル版を映倫審査にかけたところ、審査対象外判定が出たそう。
なんと！ 撮影当時、息子役のソ・ヨンジュの実年齢は15歳―
言うまでもなく、児童ポルノに該当する恐れがあるから。
日本で児童ポルノに関する規制が高まっているので、その点を韓国の制作会社に相談したところ、キム・ギドク監督も理解を示してくれたとのこと。
結局、問題のシーンを監督自らが編集し、ギリのR－18指定で公開が決まったそう。
物語の軸は奇妙な家族だけど、本当の主役は男の人のアレね。
見ていて、全身の毛穴が一気に開くぐらい、ぶっ飛んだ。へんな汗もかいたわよ。
試写会場で見た反応は2種類。
「恐怖で目を覆う」か、「思わず笑っちゃう」か。
思うに、若い女性は目を覆って耳もふさぎたくなるかも。
オジサンの多い試写会では終始、笑い声が上がっていたみたい。
要はエログロ系のコメディって感じで、キム・ギドク監督も「そういう見方でいい」って言っていたそう。
宣伝会社の女子も
「深刻にご覧いただくよりは、性をテーマにしたおとぎ話のようにとらえていただければいいのかな」と。
えぇーっ！？
性をテーマにしたおとぎ話
性をテーマにしたおとぎ話
性をテーマにしたおとぎ話
ごめんなさい。
どの角度から見ても、私の目にはそんなふうには映らなかったけど、なるほど、そういう見方もあるのね…と思ってみたり。
でも私、この映画を観てしばらくはウインナとか食べたくなかったわー。
スンデなんてもってのほかｗ
オススメ度 ★☆☆☆☆
全然オススメじゃないけど、「とにかく一度、見てみて」と。
そう言いたくなる映画（笑）。
ウインナーがいっぱい…
もう一つ注目したのは、主演女優で一人二役を演じたイ・ウヌの胸。思わずガン見しちゃったよ。
幾らなんでも不自然すぎる形。
もし自分が豊胸手術することがあったとしても、もっと自然な形にしたいと思った。←そこ？