人は生まれてくる時代を選べない。
もし、本作の登場人物たちが違った時代に生まれてきたなら…。それは一体どんな人生になっただろう?
『ブラザーフッド』のカン・ジェギュ監督とチャン・ドンゴンが超大作を引っさげて帰ってきた!
『マイウェイ 12,000キロの真実』は今週14日(土)から全国で公開される。
韓国史上最高となる25億円もの制作費が日本でも話題になったものの、重要なのはこの過酷な運命に翻弄された男たちの姿。
物語は、アジアからノルマンディーまで12,000キロもの壮大な地を生き抜いたという実在の男の写真をヒントに映画化したもの。
当時、日本統治下だった朝鮮半島で男は日本兵として出兵。
敗戦でソ連の捕虜となり、またしても敗戦で今度はドイツの捕虜となる。
結局5年間に日本とソ連、ドイツの3ヶ国の軍服を着て戦うことに。自分の意思ではないのに…。
『マイウェイ 12,000キロの真実』
(2011年/韓国/145分)
(C)2011 CJ E&M CORPORATION & SK PLANET. ALL RIGHTS RESERVED
2012年1月14日(土)全国公開!
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
数奇な運命はここから始まる―
ともにマラソン選手を夢見ながらも敵対するジュンシク(チャン・ドンゴン)と長谷川辰雄(オダギリジョー)。二人はやがて戦争の渦にのみ込まれていく。
日本の軍服を着て出兵することになったジュンシクの前に現れた辰雄
まさに「欲しがりません、勝つまでは」の精神。
オダギリジョー演じる辰雄が登場し、鶴見信吾が姿を消すわけだけど…。
このあたりのエピソードにはビックリ。いくらフィクションとはいえ…的なシーンも。
いわゆる悪縁の二人
けど本当に憎いのは目の前にいる男じゃない。
今度は日本からソ連へ
帰りたい。家族の待つ故郷に…。
辰雄もまた捕虜となる
もう、立場はジュンシクと変わらない。
二人の間にあるのは憎しみだけ
かつては同じ夢を見ていたのに。
どんなに過酷な運命が待ち受けていようと―
生きたい!! 生きて家族のもとに帰るんだ
そして・・・
二人に訪れた新たな局面。
戦闘シーンが長く、そこに埋もれてしまった感があるけど、個人的にはキム・イングォン演じるジョンテの言葉が印象的だった。
情けない人生だ
カッコ良く生きたかったのに…
もしも違う時代に生まれていたなら、もっと違った人生があったはずなのに。
そういえば、KARAのニコルも出演していて、驚いたのがキム・スロのシーン。
まさかキム・スロがあんなふうに登場するとは。
*****
『ブラザーフッド』では兄弟愛が描かれていたけど、こっちは男同士の友情。
最後は泣けるかと思ったら、意外にも涙腺は刺激されず。
序盤の辰雄(オダギリジョー)があまりにもひどい男で。
私がチャン・ドンゴン演じるジュンシクだったら、絶対に復讐してたと思う。
なので、チャン・ドンゴンとオダギリジョーの間に友情が芽生えるあたりはどうしても唐突に思えてしまって。コチラ側の感情を置いていかれた感じ。
むしろ、ロシアで悪役キャラになったジョンテに共感を覚えたぐらい。
戦闘シーンをもう少し短くして、ファン・ビンビンのシーンを膨らませたり、残された家族のことをもう少し描くという選択肢があってもよかったように思う。
それにしても、あの状況下でマラソンだけは続けているチャン・ドンゴンがなんとも不自然。
ちなみに、韓国で5人にこの映画の感想を聞いてみたところ、誰も観ていなかったという(汗)。
反対に「クリスマスの楽しい時期に戦争映画なんて観たいですか?」と聞かれて絶句。映画関係者が聞いたらどんなに落胆するか。
結局は映画の中身より、話題になったのはオダギリジョーの倖田來未サイン事件。これはちょっと寂しい。
オススメ度 ★★☆☆☆
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