あの『殺人の追憶』のスタッフが手掛け、JYJのユチョンが新人賞を
総なめにしたという話題作がついに日本でも公開
ポン・ジュノ監督の初プロデュース作品であり、『殺人の追憶』の脚本家
シム・ソンボ監督が演出。
なおかつ、演技派俳優のキム・ユンソク主演…と、話題は尽きません。
『海にかかる霧』(原題:『海霧』) 2014年/韓国/111分
(c)2014 NEXT ENTERTAINMENT WORLD Inc. & HAEMOO Co., Ltd. All Rights Reserved.
配給:ツイン
4月17日(金)よりTOHOシネマズ新宿にて先行公開
今週4月24日(金)より全国にてロードショー!
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをクリックしてご覧ください^^
この作品は、2001年に実際に起きた「テチャン号事件」を元にした
舞台『海霧(ヘム)』を映画化したもの。
この事件、皆さんはご存知でしたか?
私はまったく記憶していませんでした。
資料によると、事件が起きたのは韓国の麗水。
韓国に密入国しようとした中国人60人が済州島近くで「テチャン号」に
乗り移りました。
船は出航しますが、60人のうち25人が狭い魚倉庫に、残りの35名が
水タンクに身を潜めることに。
その後、魚倉庫に隠れていた25名が窒息死。
船は麗水沖で生存者の35名を小型漁船に移動させ、船内に残った
25名の死体を遺棄したとのこと。
麗水に上陸した中国人の供述により、事件が明るみになり、イ船長ら
船員が逮捕されたそうです。
…と、本作はこの事件が原案になっています。
映画は1998年の麗水が舞台―。
かつて漁業で潤っていたチョンジン号は、長引く不況で修繕費用を
工面することもできず、廃船を勧められる。
途方に暮れるカン船長(キム・ユンソク)は船と船員の生活を守るため、
やむなく朝鮮族の密航を手伝うことに…
決行の夜、悪天候の中、中国船から次々とチョンジン号へと飛び移る
大勢の密航者たち。
チョンジン号の下っ端船員ドンシク(パク・ユチョン)もそれを手伝い、
密航者のホンメ(ハン・イェリ)と心を通わせ、彼女を機関室でかくまう。
ところがチョンジン号に監視船が近づいてきたため、密航者たちを
悪臭が漂う魚倉庫に収容。なんとか役人の目をごまかすが、魚倉を
開けると密航者たちが死んでいるのだった。
死体を切断して海に捨てるよう命じるカン船長にドンシクは…
広い海上で行き場を失ったチョンジン号。船員たちは次々と
正気を失っていく―。
*****
暗い…。とにかく暗い映画
内容が内容なだけに、こんな話を明るく描かれてもなんですが…。
すごく陰惨な話なので、ドラマで見ているユチョンの姿を求めて
劇場に行くと「ゲッ」と驚くかもデス。
ただ、ユチョンが出ていてよかったのかな。
この映画にユチョンがいなかったら、オジサン同士の悲惨な殺し合いで
終わっただろうし。(ネタバレになるので↑色を白く反転させました)
映画って不思議ですね。
この映画、海外に行くときの機内でも観たのですが、TV画面で
見るのと、試写会のスクリーンで見るのとでは、印象が全然違う
例えば、機内のTV画面では感じなかったけど、試写会ではキム・
ユンソクの圧倒的な存在感にビビりました。
キム・ユンソクが放つ怖いぐらいのオーラにユチョンも押され気味。
また、終盤の海のシーンの迫力もTV画面からはまったく伝わってこず…。
今さらですが、やっぱり映画ってスクリーンで見ないと作品の魅力が
ほとんど伝わってこないのね…と、あらためて思った1本でした。
オススメ度 ★★★☆☆