来週から日本でも公開される映画『三姉妹』。思っていた映画と違い、かえって印象に残った。
『三姉妹』(2020年/韓国/115分)
(c)2020 Studio Up. All rights reserved.
2020年6月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
韓国・ソウルで暮らしている三姉妹。
姉妹の中でも地味なのが長女ヒスク(キム・ソニョン)。
あまり流行っていない花屋を営みながら、別れた夫の借金をせっせと返している。一人娘のボミは反抗期で、売れてないパンクバンドに熱を上げている。
不幸としか思えない家庭環境だが、それでも本人は“大丈夫なフリ”をして日々をやり過ごす。
一方、“完璧なフリ”をしている次女ミヨン(ムン・ソリ)
大学教授の夫(チョ・ハンチョル)と一男一女に恵まれ、高級マンションに引っ越したばかり。熱心に教会にも通っている。
それなのに、夫の裏切りが発覚。“完璧なフリ”をしてきたのに、家庭崩壊の危機を迎えている。
三女ミオク(チャン・ユンジュ)は劇作家
実はスランプ中で自暴自棄になり、アル中になっている。“酔っていないフリ”をするが、みんなにバレバレ。トラブルも起こす。
三人が揃うことはほとんどない姉妹だったが、久しぶりに帰省して一堂に会することに。
父親の誕生日会のため集まったが-
なんと、思いもよらぬ出来事が起き、三人はそれまで蓋をしていた幼少期の心の傷と向き合うことに。
*****
共感できたのは、皆が“フリ”をしながら生きているってこと。
人って、少なからず自分の恥部を隠しながら“フリ”をして生きてる。
私も長女ヒスクのように“大丈夫なフリ”はよくする。かなり頑張って“大丈夫なフリ”をすることも多い。
映画で観るとそれが特殊なキャラに思えるけど、皆そうやって生きてると思うと、すごく共感できる。
けど、あとでいろいろなことが分かると、それがただの“フリ”じゃなかったことに気づく。
笑えたのは次女のミヨンかなー。開き直った夫に、笑顔で言う。
「離婚するにも能力がいるのよw」
まさに、転んでもただでは起きないタイプ(笑)。
こんなことを笑顔で言われたら、男性は恐怖しかないだろう。
三女のミオクは一見エキセントリックに見えるけど、姉妹の中では一番正直。
家父長制度や、その下で生きていく女性たちの生きづらさなんかも描かれていて、それが彼女たちの今の人生に影響している。
これも女性監督の作品かしら?と思ったら、なんと長女役キム・ソニョンの夫であるイ・スンウォン監督の作品。ちょっと意外だった。
韓国では2021年1月下旬に公開され、8万3千人を動員。
観客動員数が少なく思えるけど、コロナ禍で大騒ぎしていた去年のはじめ。映画館で作品を観ようと思った人は日本も少なかったはず。
そういえば、ミュージカル女優のイム・ヘヨンが出ていて、ここでも歌ってる。
オススメ度 ★★★☆☆
阿修羅のごとく こちらは日本版の姉妹モノ。 |