私たちの日常は果たして平穏で安全なんだろうか?
そんなふうに思わずにはいられなかった異色の映画『ニューノーマル』。
いよいよ明日、日本でも公開される。台風が近づくタイミングでw
『ニューノーマル』(2023年/韓国/113分)
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2024年8月16日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
<チャプター1:M>2日目
ソウルでは女性ばかりを狙う連続殺人事件が多発。
マンションで一人暮らしをするヒョンジョン(チェ・ジウ)
ある夜、彼女の元に火災報知器の点検をしに来たという中年男性が訪ねてくる。
<チャプター2:正しいことをしろ>3日目
中学生のスンジン(チョン・ドンウォン)
ヒーローを目指し、困った人に優しくしようとするが…。
<チャプター3:殺しのドレス>1日目
デートアプリを使用したヒョンス(イ・ユミ)
彼女はマッチングした相手と待ち合わせしたが、そこに現れたのは思いもよらない相手だった。
<チャプター4:今 会いに行きます>3日目
孤独な大学生のユ・フン(イ・ミンホ)
あるメモを見つけ、出会いを求めて突き進むが…。
<チャプター5:のぞき魔>2日目
20代の青年ギジン(Block BのP.O=ピョ・ジフン)
隣の部屋に住む女性のストーカーとなり、部屋に侵入するが…。
<ラストチャプター:ろくでもない人生>1日目
コンビニでアルバイトするヨンジン(ハ・ダイン)
女優になる夢も叶わず、コンビニに来る客は憎しみの対象でしかなかった。
*****
一言でいうなら、とってもオシャレな…、というか、クリエイティブなスリラー。
…なんだけど、一度観ただけだと「木を見て森を見ず」というか「木だけ見えて森が見えない」状態かも。
2回見て初めて気付ける部分もあり、率直に「こんなストーリー、一体どうやって思いついたんだ?」と感じた。
いずれにしても、よく「予測不可能」という表現をするが、実際、本作のすべてのチャプターにおいて、その結末を予測できる人は1人としていないだろう。
元ネタは日本のドラマのようだけど、そちらは観ていないので、どの程度ヒントにして構成したかは分からずw
日本のドラマがすごいのか。本作がすごいのか。
<ラストチャプター:ろくでもない人生>に登場するヨンジンのスマホ画面にはゴヤの絵画「我が子を食らうサトゥルヌス」が表示されている。
ローマ神話に登場するサトゥルヌスが、将来、自分の子供に殺されるという予言を恐れ、子どもが生まれるたび食べ殺していく様子を描いた絵だ。
この絵が結末を暗示しているけど、ラストチャプターになっており、これがまた不思議な印象を受けた。
本作は昨年11月に公開され、10万3千人を動員。
見た人の印象には残ると思う。
不思議なオムニバスなんで、一度しか見ない人と二度見た人とでは、また全然違った感想になりそう。
オススメ度 ★★★☆☆
コンジアム(字幕版) チョン・ボムシク監督はこの作品で“Kホラーの巨匠”と呼ばれるように。 |