初めて「東神奈川に美味しいイタリアンがある」と誘われたとき、正直「遠いし、そもそもイタリアンが美味しいのは当たり前なんだけどな」と思ってしまった。
都内で美味しいイタリアンのお店はたくさんある。わざわざ東神奈川まで行く理由が分からなかった。
とはいえ、グルメ男子が大絶賛するので行ってみることに。
結論から言うと、東神奈川まで行くだけの価値があった。私は年内にまた再訪したいと思ったぐらい。
食べたい料理がそこにあるから!
そこで口にしたのは想像を超える料理だった。
『VERDE / ヴェルデ』
関内で60年も続いた伝説のお店『オリジナルジョーズ(旧表記:オリヂナルヂョーズ)』の暖簾分けしたイタリアン。
故・松田優作が通っていて、その店名は自身の歌「横浜ホンキートンクブルース」にも登場する。
♪飯を喰うなら「オリジナルジョーズ」なんて~♪
その『オリジナルジョーズ』を味を引き継いだお店なんだとか。
そういう背景をまったく知らずして出逢えたなんてラッキーとしか思えない。
■遠方からも足を運ぶリピート客が多い理由
このお店、立地は決して良くない。「東神奈川駅」からだと徒歩7分ぐらい。「反町駅」だと10分近く歩く。それでも店内はほぼ埋まっていた。
グリーンサラダ
鎌倉野菜のバーニャカウダ
1,200円
このあたりまでは準備運動って感じ。ソースは美味しいけど、衝撃を受けるほどじゃない。
岩手産殻付カキ
生1P/500円
オーブン焼き
1P/550円
食事会のとき大抵ひとりは「牡蠣NG」の人がいるのに、この日は全員OKだった。
次の料理は、この日の幹事が事前に予約しておいてくれた。
真イワシのオーブン焼き シチリア風
1,300円
“真いわしのオーブン焼き”と聞いたとき、自分の頭にひらめいた料理と、出てきた料理があまりに違っていた。
幹事はこれを3台、予約してくれていた。
というのも、これ1台で十数匹のイワシを使うから。
しかもミルフィーユ状になったイワシ料理
鰯に松の実や刻んだオリーブと混ぜてミルフィーユ状に成形している。こうしてミルフィーユケーキのようにして上からパン粉をかけ、オーブンで焼く。
これがもう~超絶おいしいっ♡
鰯も美味しいんだけど、いろいろな味がするし、口の中に入れるたび違った食感も楽しめる。こんな鰯料理が食べられるなんて思いもしなかった。
その日、市場に行って新鮮な鰯を買い付ける必要があるので、鰯がない日は秋刀魚になることもあるんだとか。
作るのにも当然、時間がかかる。なので、予約しておかないと食べられないことも…。
このお店で必ず食べるべき料理と思うので、行かれる方は事前に予約したほうがいい。
なお、分量的には1皿を2人で取り分けるとちょうどいいと思う。
北海道産 真ダラの白子ムニエル
1,500円
こちらも衝撃を受けた!
白子はアチコチのお店で食べる機会があるけど、白子料理としてはここ数年食べた中で一番美味しい。
食べた瞬間、サクッという食感がして、そのあとクリーミーな白子が口の中に広がるという。
しかもスープにビネガーの味が感じられて意外とサッパリしている。
この年になると、白子を食べて感激することなんてほとんどないけど、この白子のムニエルはこの数年食べた中でもNO.1!
この時点で私は深く反省した。
「東神奈川までイタリアンを食べに行くなんて…」と、そんな先入観を持っていたことを恥じた。
遠方から通うリピート客がいるのも納得の料理。イワシ料理にしろ、白子にしろ、私の想像をはるかに超えていて、この料理を食べるだけでも通う価値あり!と思った。
■大スターを唸らす伝説の味
メニューはその日の仕入れ状況によって少しずつ違い、オススメの料理も当然変わってくる。なので、迷ったらイチオシを出してもらうのが一番。
リコッタチーズとほうれん草をつめたトルテッリ
パンチェッタときのこのラグーソース
1,500円
リコッタチーズとほうれん草を詰めたパスタというが、実際そんな感じ。
パスタの中にギュッと詰め込まれている!
モチモチの食感の中にリコッタチーズとほうれん草の味がたしかに感じられる。なんて繊細な料理なんだろう。これも再訪して食べたい一品。
この日、お肉はエゾ鹿があるというので・・・
北海道産エゾ鹿
3,500円
柔らかで美味しくいただいた。
鎌倉野菜とアンチョビ ペペロンチーノ
1,300円
思えば、カラフルなペペロンチーノって珍しい。野菜が多いのも嬉しい。
そして料理のトリを飾るのはヤッパリ伝説のアレね。
自家製ソーセージとサラミ、マッシュルームのピッツァ
1,300円
松田優作ら著名人を魅了したという『オリジナルヂョーズ』のピザ。クリスピーのような薄い生地に自家製ソーセージがのってる。
少し味が濃い。やっぱりお酒と合うように作られているんだな。
お腹に余裕があったら、別のピザも食べてみたかった。白魚+にんにくというピザがやたら気になる。
デザートは紅玉のアップルパイ
リンゴの存在感がこれでもか!と感じられるアップルパイ。
ラ・フランスのコンポート
こちらも美味しい。
皆でこれだけ食べてワインも飲んで、会計は一人6千円~6,500円ほど。
わりと「1回行けば満足」のお店が多い中、このお店は「再訪したい!」お店のカテゴリに入った。
真いわしのオーブン焼きや白子のムニエルをもう一度食べたいだけでなく、ほかにも気になる料理が多い。
こういうお店だから、『オリジナルジョーズ』にも多数の著名人が足繁く通ったんだと思う。
決して近くはないけど必ずまた再訪しようと決めている。