運の良さと、たぶんパワーストーンの効果もあるんじゃないか。おかげで、思いがけず良席で観ることができた。
チョ・スンウの『HEDWIG ヘドウィグ』
この『ヘドウィグ』。
ロックミュージカルだし、自分の好みの作品とは思えず、映画も日本版もまだ観ていないw
なので、わざわざ韓国で観る必要はなかったんだけど…。
皆さんがチョ・スンウの『ヘドウィグ』を絶賛されるので、「ソウル入りの日程が重なったのも何かの縁だし」と勝手に思い込み、観に行くことにした。
ただ…、チケットがない!
チケットもなく、そもそも見られるのかどうか分からなかったので、予備知識はゼロ(笑)。
幸運なことに、開演5分前に鼻血が出そうなほど素晴らしい席に恵まれたが、思っていた以上に理解しづらい部分もあり、それが悔しくもあり、残念だった。
物語を歌でつないでいく感じのミュージカルと違い、この作品って一人芝居に近い形なのね。
自らの人生を語るセリフの量が半端じゃなく、その合間にロックナンバーが入って、ストーリーが進行していくという。
なので、この作品をよく知っているか、ある程度の語学力がないとチンプンカンプンで(汗)。
これは途中で眠くなるかも…なんて思っていたけど、そこはチョ・スンウ。そんなことは一切なかった。
やっぱりチョ・スンウはすごかった☆
登場した瞬間から、私たち観客は彼に釘付け。
ステージ上から何度も問いかけながら、観客をいじりまくるし。アドリブも多くて、本人はすごく楽しそう。だから見ているだけでこっちも楽しい。
言葉の壁を取っ払ってくれる。(分かったほうがいいに決まっているけど)。
それなのに、なぜだろう。
終盤は彼が笑っていても孤独を感じる。彼が抱えている苦悩に胸が痛む。
ブロンドのかつらを取ると会場は“静”になった。だからこそ、彼の感情の高まりが感じられる。
彼が体にトマトをこすりつけても、私たちはただジッとその様子を見守ることしかできない。
潰れたトマトから広がっていく赤い果汁がまるで血のよう。
トランスジェンダーであるが故の葛藤。アイデンティティの不確かさ。
それらを乗り越えて“自分”を取り戻していくヘドウィグ。
一瞬たりとも目が離せず、これだけセリフの内容を理解できないのに最後は泣けてきた。
素晴らしい俳優、チョ・スンウ。
金髪に黒のロングブーツも意外と似合って可愛いかった(笑)。
一つ、どうしても分からなかったのが、チョ・スンウの『ヘド』が別モノということ。
ほかの人の『ヘドウィグ』を見ていないので比べようがないw
完全に順番を間違えたな。
ほかの役者さんで見てからチョ・スンウに行くべきだった。
場所は2号線「三成駅」8番出口の近く。
「白岩アートホール」
地図のとおり歩いていくと黄色いビルが目に入る。
チケットを持たないまま、ここから入ったよ♪
そう。前回のソウル入りは、こっちでの仕事が終わらず、泣く泣く日程を変更することに…。
この直前の日程変更で当初のスケジュールが白紙になったんだけど、そのおかげでチョ・スンウの『ヘドウィグ』の時期と重なったんだった。
…が、しかし。チケットがない(涙)。
すでに完売している超人気チケットで、韓国でも手に入らないという。
これはもう自力じゃ無理と思ったので、有力なところにもお願いしてみたんだけど、やはり「ダメだった」といわれ、途方に暮れること10秒。
アレコレと考えている余裕もなく、自分の運に任せることにした。
それだけだと心許ないので、欲しかったデザインのパワーストーンも前日に購入♡
あとは、ひたすら信じるのみ。
会場で「当日券もないですよ」と言われても…。信じた。
そして開演の5分前、信じる者は救われた(涙)。
でも「カテコで写真撮ってもいい?」って聞いたら・・・
即「ダメ!」と断られたよ(笑)。