韓国映画

韓国映画『海にかかる霧』

投稿日:2015年4月23日   

 

あの『殺人の追憶』のスタッフが手掛け、JYJのユチョンが新人賞を総なめにしたという話題作『海にかかる霧』がついに日本でも公開。

ポン・ジュノ監督の初プロデュース作品であり、『殺人の追憶』の脚本家シム・ソンボ監督が演出。
なおかつ、演技派俳優のキム・ユンソク主演…と、話題は尽きない。

 
『海にかかる霧』
 (原題:『海霧』/2014年/韓国/111分)
『海にかかる霧』main
(c)2014 NEXT ENTERTAINMENT WORLD Inc. & HAEMOO Co., Ltd. All Rights Reserved.
配給:ツイン

2015年4月17日(金)よりTOHOシネマズ新宿にて先行公開、今週4月24日(金)より全国にてロードショー!

詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。

 



 

映画あらすじ

1998年の麗水が舞台―。
かつて漁業で潤っていたチョンジン号は、長引く不況で修繕費用を工面することもできず、廃船を勧められる。

 
途方に暮れるカン船長(キム・ユンソク)
『海にかかる霧』sub1

彼は船と船員の生活を守るため、やむなく朝鮮族の密航を手伝うことに…。

決行の夜、悪天候の中、中国船から次々とチョンジン号へと飛び移る大勢の密航者たち。
チョンジン号の下っ端船員ドンシク(パク・ユチョン)もそれを手伝い、密航者のホンメ(ハン・イェリ)と心を通わせ、彼女を機関室でかくまう。

ところがチョンジン号に監視船が近づいてきたため、密航者たちを悪臭が漂う魚倉庫に収容。
なんとか役人の目をごまかすが、魚倉を開けると密航者たちが死んでいるのだった。

 
死体を切断して海に捨てるよう命じるカン船長にドンシクは…
『海にかかる霧』sub4

広い海上で行き場を失ったチョンジン号。船員たちは次々と正気を失っていく―。

 
*****
この作品は、2001年に実際に起きた「テチャン号事件」を元にした舞台『海霧(ヘム)』を映画化したもの。
この事件、皆さんはご存知だろうか?
私はまったく記憶していなかった。

資料によると、事件が起きたのは韓国の麗水。
韓国に密入国しようとした中国人60人が済州島近くで「テチャン号」に乗り移った。
船は出航するが、60人のうち25人が狭い魚倉庫に、残りの35名が水タンクに身を潜めることに。
その後、魚倉庫に隠れていた25名が窒息死。
船は麗水沖で生存者の35名を小型漁船に移動させ、船内に残った25名の死体を遺棄したとのこと。
麗水に上陸した中国人の供述により、事件が明るみになり、イ船長ら船員が逮捕されたそう。

…と、本作はこの事件が原案になっている。

 
暗い…。とにかく暗い映画。
内容が内容なだけに、こんな話を明るく描かれてもアレだけど…。
すごく陰惨な話なので、ドラマで見ているユチョンの姿を求めて劇場に行くと「ゲッw」と驚くかも。

ただ、ユチョンが出ていてよかったのかな。
この映画にユチョンがいなかったら、オジサン同士の悲惨な殺し合いで終わっただろうし。(ネタバレになるので空白部分は←色を白く反転させた)

映画って不思議ね。
この映画、海外に行くときの機内でも観たんだけど、TV画面で見るのと、試写会のスクリーンで見るのとでは、印象が全然違うw

例えば、機内のTV画面では感じなかったけど、試写会ではキム・ユンソクの圧倒的な存在感にビビった。
キム・ユンソクが放つ怖いぐらいのオーラにユチョンも押され気味。
また、終盤の海のシーンの迫力もTV画面からはまったく伝わってこず…。
今さらだけど、やっぱり映画ってスクリーンで見ないと作品の魅力がほとんど伝わってこないのね…と、あらためて思った1本だった。

オススメ度 ★★★☆☆

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