韓国映画

韓国映画『フィッシュマンの涙』

投稿日:2016年12月19日   

 

ソウルにいたため投稿できなかったけど、先週末から異色の韓国映画『フィッシュマンの涙』が日本でも公開されている。

 
『フィッシュマンの涙』
 (原題:『突然変異』2015年/韓国/92分)
フィッシュマン-メイン
©2015 CJ E&M, WOO SANG FILM

12月17日(土)よりシネマート新宿、HTC渋谷ほか公開

詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。

 


 

映画あらすじ

どこにでもいる平凡なフリーター青年のパク・グ(イ・グァンス)は製薬会社の被験者に。新薬を飲んで寝るだけで謝礼をもらえるはずだったが―。

 
翌朝、原因不明の副作用で「魚人間」に突然変異
フィッシュマン-サブ6

 
女友達のジン(パク・ボヨン)に助けを求める
フィッシュマン-サブ1

ジンは自分が注目を集めたいがため、“魚人間の恋人”と称し、彼の身に起こった出来事をネット上に投稿してしまう。

 
記事を知ったテレビ局の見習い記者サンウォン(イ・チョニ)
フィッシュマン-サブ2

彼は正社員への昇格をかけて、パク・グの独占密着取材に意欲を燃やす。事件はあっという間にトップニュースとなる。

 
臨床実験の責任者だったピョン博士は弁明するが―
フィッシュマン-サブ3

製薬会社の非道な実態を知った国民の怒りは爆発。
注目を浴びたパク・グは、就職難で困窮する若者たちのヒーローとなり、社会的シンドロームを巻き起こしていく。

 
やがて製薬会社に闘いを挑むことに
フィッシュマン-サブ4

正社員になりたいサンウォンと、賠償金を狙うパク・グの父親、ネットを賑わすジン、人権派弁護士が動き出す―。

 
*****
かつて『エレファント・マン』という映画があった。悲しい映画だったが、今度は韓国で『フィッシュマン』。
一見、コメディかと思いきや、こちらも物悲しい。
どちらも残酷さでは共通している。

就職先も金もないパク・グ
地方大学出身で肩身の狭いサンウォン
多額の賠償金を狙う父親
人権派弁護士といいながら、実は風見鶏の弁護士
まずは注目されたいジン

みんな生きるのに必死。

そして人命までもを犠牲にして完成した医薬品は、富裕層の元へ流れていく。
高額ゆえ一般人にはとても手が出ないという皮肉。

チェ・スンシル事件、ロッテお家騒動、ナッツリターン…。
そんなニュースの主役たちだけが手に入れられるわけね。

本作の演出や表現は滑稽でも、そんなゾッとする社会をしっかりと描き出しているように思った。
「貧乏人は平凡な人生さえ送れない」
今の韓国社会はその一言に尽きるのだろうか。

 
人魚ではなく魚男
フィッシュマン-サブ7

ルネ・マグリットの「共同発明」がヒントになったそう。

 
オススメ度 ★★★☆☆

コンフェッション 友の告白(字幕版)
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