『新感染 ファイナル・エクスプレス』の前日譚『ソウル・ステーション/パンデミック』を制作したヨン・サンホ監督が続いて送り出したアニメ作品『我は神なり』。
これまた救いようのないストーリーで観客を凍りつかせる。
ただ、このトホホな感じはあながち別世界の出来事とは思えず、妙に惹きつけられた。
『我は神なり』
(英題:『THE FAKE』 2013年/韓国/101分)
©2013 NEXT ENTERTAINMENT WORLD INC. & Studio DADASHOW All Rights Reserved.
2017年10月21日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開!
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
ダム建設によって水没することが決まり、すっかり活気を失った片田舎の村。
そこに粗暴なトラブルメーカーが久しぶりに帰郷する
この男の名はミンチョル(声:ヤン・イクチュン)。
寂れた村で彼は異様な光景を目にする。
自分の妻や娘のヨンソン(声:パク・ヒボン)、村人たちが熱心に教会に通っていたからだ。
村人たちに崇められていたのはソン牧師(声:オ・ジョンセ)
若きカリスマ牧師だ。
ミンチョルは、それがインチキ教団を率いる詐欺師チェ(声:クォン・ヘヒョ)の陰謀だと気づく。
チェは村人たちの立ち退き補償金を狙っていたのだ―
ところが警察も村人も、札つきのワルだったミンチョルの言葉に耳を傾けようとはしない。むしろミンチョルは“悪魔に憑かれた男”という烙印を押され、四面楚歌となる。
やがて娘のヨンソンも姿を消してしまい―
ろくでなしだったミンチョルは―。
*****
ここまで極端じゃないにしても、似たような出来事は韓国のみならず日本でも起こりそう。
途中、韓国映画『シークレット・サンシャイン』を思い出したんだけど、やっぱり監督さんも意識していたようね。
舞台は寂れた村。
ここでは詐欺師もスーツを着ているだけで“紳士”と称される。
客観的に見ると滑稽なんだけど、ダム建設予定地で喪失感の大きい村人たちの何かにすがり付きたくなる心情は共感できた。
原題の『サイビ』は『似て非なるもの』とも解釈できる。アニメ作品だけれど、描かれている闇は相当深かった。
オススメ度 ★★★☆☆
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