すでに上映中のコン・ユ主演『新感染 ファイナル・エクスプレス』の前日譚が今週末から日本でも公開される。
その名も『ソウル・ステーション/パンデミック』。
どちらもヨン・サンホ監督の作品だけど、あちらは実写でこちらはアニメ。
個人的にはこの前日譚を見てから『新感染』を見たかったかも。
『ソウル・ステーション/パンデミック』
(2016年/韓国/92分)
©2015 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & Studio DADASHOW All Rights Reserved.
2017年9月30日(土)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
蒸し暑い夏の夜、ソウル駅の片隅でホームレスの老人が首から血を流していた。それに気づいた弟は人々に助けを求めるが、誰も取り合ってくれない。
結局、老人は息絶えてしまうが、遺体が行方不明に。
ようやく兄を発見した弟が目にしたのは、人に噛み付く凶暴な姿だった。
その頃、ヘスン(声:シム・ウンギョン)は―
同棲中の恋人キウン(声:イ・ジュン)と大喧嘩
風俗から逃げてきて安宿に身を寄せていたヘスンだったが、キウンに体を売るよう勧められたからだ。
キウンは勝手に彼女の写真を出会い系サイトに投稿してしまう。
怒ったヘスンとキウンはケンカ別れするが、そんなキウンの元に、サイトを見て連絡してきた男がいた。
ヘスンの父親(声:リュ・スンリョン)だった
彼とキウンはヘスンの帰りを待つことにしたが、宿で凶暴な人間に襲撃される。
一方、ソウルの中心部でも同様の異常事態が起きていた。何らかのウイルスに感染した人が、正常な市民に噛みつき、噛みつかれた人たちも次々と凶暴化していたのだ。
ヘスンも感染者に遭遇
どんなに逃げても
安全な場所などない
ヘスンは恐怖のどん底に突き落とされる―。
*****
すでに上映中のコン・ユ主演『新感染 ファイナル・エクスプレス』のビハインドストーリー。
人々が謎のウイルスに感染していくのは『新感染』と同じなんだけど、大きく違うのは本作で描かれているのは社会の底辺にいる人たちが中心になっている点。
謎のウイルス感染の発端はホームレスだし、ヒロインのヘスンも風俗から逃げてきて安宿に身を寄せている。同棲中の恋人キウンも最低野郎ときた。
同じ“最低”でも『新感染』のソグ(コン・ユ)のそれとは違っていて、帰る家のない人たちばかり。
『新感染』と同じなのは、感染してゾンビ化することよりも、本当の恐怖が“人間”にあるという点。
特に終盤、ヘスンには過酷な運命が待ち受けている―
『新感染』で逃げるソグたちを阻止したのが人間であったように、本作でもヘスンを叩きのめすのは人間という残酷な展開に。
ただでさえ悲惨な状況で、不幸を絵に描いたようなヒロインでなのに、トドメを刺すかのような容赦ないオチ。
『新感染』ではわずかでも救いがあったのに対し、こちらは1ミリの救いも―
後味の悪さは半端じゃない。
オススメ度 ★★★☆☆
新感染 ファイナル・エクスプレス (竹書房文庫) 映像で見るのが怖い方には小説も! |