ソン・ガンホとイ・ビョンホンという豪華タッグが話題となった映画『非常宣言』が日本でも公開される。
『非常宣言』(2022年/韓国/141分)
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2023年1月6日(金)より全国公開
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
娘とハワイへと向かうパク・ジェヒョク(イ・ビョンホン)
ところが空港で妙な男につきまとわれる。
謎の男(イム・シワン)
この男も同じ便に登場したと知り、ジェヒョクは不安を覚える。
飛行機は離陸するが、その直後、一人の乗客が突然死。直後に、次々と乗客が原因不明のまま死んでいく。
パニックとなる機内
一方、地上では飛行機へのバイオテロの犯行予告動画がアップされ、大騒ぎになっていた。
ベテラン刑事のク・イノ(ソン・ガンホ)
彼は妻とのハワイ旅行をキャンセル。
バイオテロを予告した飛行機は、彼の妻が搭乗した便だったことを知り、愕然とする。
国土交通大臣のキム・スッキ(チョン・ドヨン)もまた-
テロの知らせを受けていた。
大統領府危機管理センターのパク・テス(パク・ヘジュン)
スッキは彼と協力しながら、緊急着陸のために国内外と交渉を開始する。
機内ではチーフパーサーのヒジン(キム・ソジン)と-
副操縦士のヒョンス(キム・ナムギル)が奮闘
だが、燃料は限られている。
飛行を続けるタイムリミットが迫り、「非常宣言」を発動するが、機体はついに制御不能となり-。
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映画のタイトルにもなっている“非常宣言”。
幸いなことに、これまで搭乗した飛行機でこれを経験したことはない。
非常宣言とは、飛行機が危機に直面して通常の飛行が困難になった場合、パイロットが不時着を要請すること。
これが布告された航空機には優先権が与えられ、他のどの航空機よりも先に着陸でき、いかなる命令も排除できるそう。
まさに映画のように乗客の命が危険にさらされたとき、これが発動されるわけだから、遭遇することはまずないと思う。
ただ、非常宣言を発動したからといって、どこでも着陸できるかというとそうでもないのは映画で描かれている。
過去に『新感染 ファイナル・エクスプレス』では高速鉄道の中でゾンビが増殖していくという恐怖を味わった。
今回は機内。ウイルスへの恐怖だけでなく、墜落の危険もあり、乗客としてはたまらない。
また、噛まれてすぐにゾンビ化した『新感染』と違って、今回はバイオテロ。目に見えないウイルスに知らぬ間に感染するので、見た目にも分かりづらく、『新感染』とはまた違った恐怖となる。
ソン・ガンホやイ・ビョンホンに加え、チョン・ドヨンやキム・ナムギルまで出演。制作費だけで300億W(約30億円)も投入された超大作。
当然、韓国でも期待されたと思うが、去年8月に公開された本作の観客動員数は205万人にとどまった。損益分岐点だった520万人には遠く及ばなかった。
『非常宣言』の2週間前に公開された『閑山:龍の出現』は726万人、『非常宣言』の翌週に公開されたイ・ジョンジェとチョン・ウソン主演の『HUNT(ハント)』は435万人を動員している。
それを考えると『非常宣言』の205万人はかなり少なく感じられる。
理由の一つとして定義されたのが“逆バイラル疑惑”。
意図的に悪意のある低評価を広められたというもので、配給会社が警察庁に捜査を依頼した。
一方、ネガティブな口コミを流したと名指しされた該当企業もまた法的対応を予告。
さらに『非常宣言』には、意図的なバイラル疑惑まで浮上するなど場外戦で泥仕合が繰り広げられることに。観客は完全に置き去りにされた感じ。
こうした問題は以前から指摘されていたが、コロナ禍に大打撃を受けた映画界で今も疑惑が払拭されないのは残念なことだと思う。
ちなみに、私の率直な感想は…、面白かったけど、尺が長すぎた。
これだけのキャストをそろえた映画なので、一人ひとりにエピソードがあって、様々な要素が詰め込まれるんだけど、私の集中力は120分が限界w
141分は長すぎた。
このあたりで終わりかと思いきや、さらにそこから苦難が続くという。
なんとなく、観ている観客にも忍耐が必要な作品と思えた。
オススメ度 ★★☆☆☆
新感染 ファイナル・エクスプレス やっぱり、この作品は超えられない! |