『お嬢さん』、『アシュラ』での異様な興奮に続き、満を持しての公開となる『哭声/コクソン』。
「死ぬほど韓国映画が好き~」って方は3本ハシゴする手もあるけど、かなりヘビーw
私からすると正気の沙汰じゃないように思う。
『哭声/コクソン』(2016年/韓国/156分)
©2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION
3月11日(土)シネマート新宿他にて公開
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
156分と尺が長いので、上映前はトイレに行っておいたほうがいい。下手すると、作品の衝撃でチビるからw
舞台は、平穏な田舎の村“谷城(コクソン)”
そこに得体の知れないよそ者(國村準)がやってくる
彼がいつ、どんな理由で村にやって来たのかを誰も知らない。
この男について謎めいた噂が広がる中、事件が勃発する。
村人が自身の家族を残虐に殺す事件が多発していく―
どの事件も、犯人の村人は必ず濁った眼に湿疹でただれた肌をして、言葉を発することもできない状態で現場にいるのだった。
事件を担当する村の警官ジョング(クァク・ドウォン)
彼はある日、自分の娘の異変に気づく―
娘にも殺人犯たちと同じ湿疹が出ていたのだ。
娘を救うため、よそ者を追い詰めるジョング。
一方で祈祷師(ファン・ジョンミン)の力も借りることに
だが村はさらに混乱し、誰も想像できない衝撃の結末へと走り出す―。
*****
『アシュラ』に続いて、キャラの濃いクァク・ドウォンとファン・ジョンミンが登場。
『アシュラ』とはまた違ったジャンルでキャラも全然違うが、ヤッパリ血まみれになる運命w
本作で底知れぬ恐怖を感じさせるのが“雨”の演出。
まるで『セブン』(1995年)を彷彿させる鬱陶しい雨。
そして起こる殺人事件。
小さな村で殺人にとどまらず、火災が発生したり事件が連鎖していく。
しかも出てくるキャラの誰もが胡散臭い
事件の目撃者(チョン・ウヒ)でさえ、↑こんな感じ。
途中までは恐怖の中にもコント的な要素があり、笑えるシーンも多い。
登場するキャラは真面目なのに、天然すぎて笑えてしまう。
こうした展開は、淫行疑惑を釈明しようとした狩野英孝の記者会見にもよく似ていた。
とはいえ、人はなぜ見てもないのに確信するのか―。
たとえば、謎の男(國村準)のルックスも、ふんどしをしていれば、それが村人には「おむつ」に見えてしまう。
真実でなくとも、噂だけが独り歩きしていく。
気づけば噂が真実になっている。田舎では特にその傾向が強いかも。
映画には“悲惨なキャラ”が登場することが多い。
本作でのそれは間違いなくヤン・イサム。
得体の知れない日本人を捜査するため、日本語通訳に選ばれた男だ。
何も悪いことをしていないのに、彼は本作の中で痛い目に遭ってばかり。
とことん運が悪く、こうはなりたくない…とさえ思える。
一つキャスティングで残念なことがあるとすれば、主演のクァク・ドウォンがどうしてもヒール顔に見えたこと。
これは私の先入観も大きい。
『弁護人』ではソン・ガンホやシワンに暴行を加え、『無頼漢 渇いた罪』では性欲を高める催淫剤をチョン・ドヨンに打って自白の強要を企んでいた。
『アシュラ』ではチョン・ウソンを拷問…と、振り返るとろくな役がない。
というわけで、今までアクの強い役柄ばかりを見てきたせいか、どんなに客観的に見てもクァク・ドウォンの顔に腹黒さを感じてしまい、そこがブラピの『セブン』と大きく違った。
オススメ度 ★★★★☆
哀しき獣 ディレクターズ・エディション [DVD] クァク・ピョンギュの名で活動していたクァク・ドウォン。 |
この作品でも↑大変な目に遭っていた…。