思いのほか引き込まれた韓国映画『サムジンカンパニー1995』が今週9日(金)から日本でも公開される。
映画の内容もさることながら、90年代の女性たちのファッションも楽しめる。
『サムジンカンパニー1995』
(原題:『サムジングループTOEICクラス』/2020年/韓国/110分)
(c)2020 LOTTE ENTERTAINMENT & THE LAMP All Rights Reserved.
2021年7月9日(金)シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次ロードショー
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
金泳三大統領によってグローバル化が打ち出された1995年の韓国・ソウル―。
ソウルの語学教室はどこも満席になるほど、生徒たちで溢れ返った。
大企業に勤める3人の高卒女性社員たち
左からユナ(イ・ソム)、ジャヨン(コ・アソン)、ボラム(パク・ヘス)も例外ではない。ステップアップのために英語を学んでいた。
高卒女性社員の仕事といえば雑用ばかり
大卒の社員と違って制服着用を義務付けられ、お茶くみや書類整理ばかりさせられる。
そんな彼女たちが昇進できる道はただ一つ。会社の方針でTOEIC600点を超えること。なんと「代理」に昇進できるチャンスだった。
体よく女性社員をクビにするための条件とはいえ、諦めて退職しても退職金は大卒社員の1/3以下。彼女たちに選択肢はなく、必死に勉強に励むほかない。
そんな中、ジャヨンがある事実を知ってしまう―
自社工場が有害物質を川に排出していたのだ。
しかし会社は隠蔽しようとする
解雇の危険を顧みず―
彼女たちは自らの知識と知恵と勇気で真相解明に向けて奔走することに―。
*****
「実話をベースに」とあるけど、これは1991年に「斗山電子」が洛東江(ナクトンガン)にフェノールを垂れ流した水質汚染事件とのこと。このあたりをモチーフにしつつ、当時、大企業で行われていたTOEICクラスの様子が描かれている。
韓国の英語熱は90年代からさらに過熱し、今も社内でTOEICの勉強は珍しくないという。
以前、外国語の習得は社内だろうが語学教室だろうが、「毎日続けることに意味がある」と韓国人の友だちから言われたことがある。
日本でありがちな「週○曜日と○曜日に英語のレッスン」っていうのは効果が期待できないとハッキリ言われた。
なんとなく、語学習得に対する意識が全然違うんだろうなーという印象を受けた。
また、当時の韓国では男性が服を選べたのに対し、多くの会社では女性社員だけ制服を着用。本作の「サムジングループ」ではひと目見て分かるように高卒の女性社員だけが制服を強いられている。
この20年で韓国の女性の地位は大きく変わったので、今だとさすがに批判されそうね。
いずれにしても、3人が私服で着ている洋服が日本でいう“昭和感”があってエモい。
昨年10月に韓国で公開され、157万人も動員できたのも納得。終盤はややダレたけど、好きなタイプの映画だった。
前列の右から三番目の女優さんは…
ノリにノッてるのでは?と思えるチョン・イソ。
映画『パラサイト 半地下の家族』ではピザ屋の社長さん。直近ではNetflixで人気のドラマ『mine マイン』で重要なメイド役を熱演。次はどの作品で目にするかしら。
オススメ度 ★★★☆☆
スウィング・キッズ デラックス版 [DVD] この作品のパク・ヘスがとても印象的だった。 |