韓国映画の公開が続いている。今週は『殺人鬼から逃げる夜』も日本で公開。
『殺人鬼から逃げる夜』
(原題:『MIDNIGHT』/2021年/韓国/104分)
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2021年9月24日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国順次公開
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
聴覚に障害のあるギョンミ(チン・ギジュ)
彼女はお客様相談センターで手話部門を担当しながら、同じく聴覚に障害のある母親と2人で暮らしていた。
ある日、母親との待ち合わせ場所に向かう途中―
血だらけの女性を発見!
助けを呼ぼうにもギョンミは声を出せない。
近くに潜んでいた連続殺人鬼に捕まりそうになるが、全速力で逃げ出す。
やっとのことで母親(キル・ヘヨン)の元へ
非常ベルを押すことができたが、管制センターからの問いかけはギョンミ母娘には聞こえないし、答えることもできない。
そこにスーツ姿の男性ドシク(ウィ・ハジュン)が現れる
彼は妹を探しているという。
やがてパトカーが到着し、ギョンミと母親、ドシクが警察官に事情を説明するが、被害者の女性は忽然と消えていた―。
ギョンミたちが警察署で調書を作っていると、「合コンに行った妹が帰ってこない!」とジョンタク(パク・フン)が駆け込んできた。
彼の妹ソジョン(キム・ヘユン)こそが、血だらけの被害女性だったのだ。
一方、ギョンミの母はスーツ姿のドシクを不審に思う。
連続殺人鬼だったドシク
ついに本性を現し、ジョンタクに襲いかかる
「妹を刺したのは俺だ」と。
ここからギョンミと母の本当の恐怖が始まる。
*****
今年6月に韓国で公開されたばかり。観客動員数は10万6千人。
コロナ禍に加え、キャストの地味さを考えると、健闘したほうなのでは。
映画は非現実的すぎた。
“大々的な捜査網が敷かれた”と書いたものの、正直、捜査網が敷かれた感はまったくしない。
凶器を大量に持った男が街中を自由自在に動き回れる状態であり、ヒロインは走って走って、とにかく逃げるしかない。
そもそもギョンミ母娘は犯人の顔をよく知るのに、まったくと言っていいほど警察の保護を受けていない。
凶器を持った犯人があれだけ野放しにされるのもさすがにおかしいと感じたけど、そこはエンタメ作品ってことでw
警察のダメっぷりが際立つほか、妹のためにギョンミを見捨てようとしたジョンタクも「えぇっ!?」な感じで、思いのほかストレスを感じながら見ることに。
ただ、“聴こえない”という状況をこうした形で視覚化されたことで恐怖が倍増。途中、イラッとする場面が多かったけど、最後までドキドキした。
ヒロインのチン・ギジュは不思議な女優。元々はサムスンSDSに就職し、そこからの転身。『リトル・フォレスト 春夏秋冬』ではさほど印象に残らなかったけど、ドラマ『ミスティ~愛の真実~』では小悪魔的な野心家。まったく違う表情を見せるんだな―と感じた。
殺人鬼役のウィ・ハジュンはNETFLIXで配信中の『イカゲーム』で重要な役どころ。
どちらも、これからいろんな作品で目にしそうな予感。
オススメ度 ★★☆☆☆
リトル・フォレスト 春夏秋冬 [DVD] チン・ギジュの映画デビュー作。 コインロッカーの女 [DVD] |