前回も書いたように、今回は韓国ミュージカル『MATA HARIマタ・ハリ』一幕の簡単なあらすじや主要な曲などを。
韓国ミュージカル『MATA HARI マタ・ハリ』
ただ、どんなにザックリとあらすじを書いてもネタバレになってしまうw
未見の方、ストーリーを知りたくない方は、以下をスルーしてね。
これから観に行かれる方の予習になるといいんだけど、念のため重要なキーワードには「※~※」をつけて文字を白く反転させておく。
読みづらいと思うけど、ネタバレOKな方は、白く反転した部分をなぞってください。
スマホなら指で「※」のあとの空白部分を長押しして、「※」まで指を移動させれば文字が浮かんでくる。
なお、制作会社からいただいたあらすじと、自分の記憶をたどって大まかに書くけど、開幕してから現在に至るまで演出がかなり変わっている。今後も変わる可能性大!
なので、多少の間違いや演出の変更についてはどうかお許しを。(再演はもはや別モノの作品になっている!?)
まぁ、そこがまた本作の面白さかもしれないけどね。
■『MATA HARI マタハリ』ワールドプレミア<1幕>
時は1917年―。
野原に立っているマタ・ハリ(オク・チュヒョン)に軍人らが銃を向けている。
「照準!」と声がかかると同時にMCが登場し、時間が止まる。
このMCの案内で、彼女の記憶も9ヵ月前のムーラン・ルージュへと遡っていく。
『Let The Dance Bigein/춤을 시작해』(MC&アンサンブル)
MCとアンサンブルが登場し、「今夜、ムーラン・ルージュでマタ・ハリのストーリーが語られる」という。
「現実は時々ウソをつくけど、劇場はいつも真実だから」と。
フランスは第一次世界大戦の真っ只中だったが、ここムーランルージュにおいて、“人生は美しいもの”であって、危険といえば恋に落ちることしかない。
当時、ダンサーのマタ・ハリはヨーロッパでもっとも有名なスターだった―
舞台上でセクシーなインド舞踊「寺院の踊り」を披露するマタ・ハリ。この舞台こそが彼女を一躍スターにしてくれた場所だった。
*****
このシーンに目が釘づけになった。マタハリが踊るごとに衣装を脱いでいぎ、最後は美しいボディを披露する。例えるなら、ビキニ姿も同然の衣装。
腕やお腹、脚に贅肉がついていたらまず着られない。マタハリのセクシーダンスはもちろん、この衣装も必見!
*****
そこにフランス情報部のラドゥー大佐(リュ・ジョンハン)が訪れてきた。
『Be A Spy/스파이가 되어』(ラドゥー)
ラドゥはマタ・ハリにフランスのスパイになるよう依頼する。
*****
これはラドゥ大佐のナンバーなんだけど、マタ・ハリにスパイになるよう持ち掛けるのに、なぜかタンゴダンサーズが出てきて、ほんの少しだけタンゴチックなダンスを見せる。
このタンゴダンサーズは私の記憶だと3回登場。どれも同じ曲が流れ、マタ・ハリも少し絡んでいる。
オク・ジュヒョンの脚の長さが際立った。この曲での振付は短足だとカッコつかないw
*****
スパイになることを拒否したマタ・ハリだったが、ラドゥはいう。「マタ・ハリが実はマルガレータ・ツェレであることを知っている」と。それは脅しだった。
オランダ出身のマルガレータは夫の虐待から逃れるため、マタ・ハリとう人物に生まれ変わって生きてきたのだ。
『I Won't Go Back/돌아갈 수 없어』(マタ・ハリ)
ラドゥが帰った後、スパイになるか悩んだマタ・ハリだったが、不幸だった過去には戻りたくない。自分には“マタ・ハリ”が必要で、彼の提案を受け入れるしかなかった。
*****
この曲で、マタ・ハリの悲惨な過去がよみがえる。
「もう、あの頃には戻りたくない」
オク・ジュヒョンが歌い上げ、強い意志が感じられる。これ、必聴!
*****
ラドゥのことで悩んだマタ・ハリがセーヌ川のほとりを歩く。
そこに、助けを求める声が…。
不時着し、燃えている飛行機からパイロットのアルマン(ソン・チャンウィ)が脱出しようとしていたのだ。アルマンを助けるマタ・ハリ。運命的な出逢いだった。
『From Way Up There/저 높은 곳』(アルマン&マタ・ハリ)
アルマンの歌に、気づけば声を重ねているマタ・ハリ。
酔っ払いに絡まれるが、ここでもマタ・ハリがアルマンを助けることに。二人は急激に惹かれ合う。
*****
ソン・チャンウィ演じるアルマンがとーってもいい!(映像↑はVIXXのレオ)
序盤、コミカルに笑わせてくれるけど、中盤では勇敢な兵士に。
その後、マタ・ハリと切ない恋を繰り広げていく。このナンバーも大好き。
このあとの酔っ払いに絡まれるシーンは、その日によって面白かったり面白くなかったり。
ワールドプレミアの日はオク・ジュヒョンの「ヤーッ!」と追い払う姿があまりに強烈で客席は大爆笑だった。
*****
その頃、ラドゥーは戦争の状況報告を受けていた。
フランス軍はドイツの攻撃によって大きな被害を受けている。ラドゥはこの戦争によって多くの軍人が死んでいく現実に怒りと絶望を感じていた。
彼はフランスを救うためにもマタ・ハリの協力が必要だと考えていた。
『Ten Thousand /수천 명의 목숨』(ラドゥ)
一方、ラドゥの妻キャサリン(ソヌ)は、夫とマタ・ハリが浮気していると思い込み、ラドゥを非難する。
(映像の後半は次のマタハリの曲『The Girl I Used To Be』で、こちらの映像ではキム・ソヒャンの歌が聴ける)
*****
この作品の一番の被害者キャサリンの登場w
出番を大幅に減らされた挙句、歌までカットされたんだとか。
この日、そんなキャサリンを見て思った。ここまでカットしたのならいっそのこと…w
それぐらい存在感の薄いキャラになってしまい、気の毒だった。このラドゥとのシーンで「アナタと離婚して恥をかくより仮面夫婦でいるほうを選ぶ」云々って話になるんだけど、ここも曲を削られたんだと思う。
*****
女たちが戦場にいる恋人や夫を心配している間、マタ・ハリとアルマンは親密な関係になっていた。
(↓後に重要だと思う部分「※~※」を白く反転させている!)
幸せな時間を過ごすマタ・ハリに、アルマンは※オルゴール※をプレゼントする。
彼女は本当の自分マーガレットについて告白。アルマンはマタ・ハリの心の痛みに共感し、彼女をさらに愛するように―。
アルマンが任務のため、部屋から出ていくと、マタ・ハリは気づく。自分の中の純粋な少女マルガレータが目覚めたことを。彼は信頼できる人。恋に落ちてもいいほど信頼できる人だと感じる。
『The Girl I Used To Be/예전의 그 소녀』(マタ・ハリ)
(ここで流れるのは、この映像の前半の曲。後半の曲はこの時点ではまだ聴かないほうがいいかも)
歌っているのはオク・チュヒョン。木佐彩子ではない。
*****
韓国映画でもよく感じることだけど、韓国はアイテムの使い方がとても上手い。
この※オルゴール※は重要なアイテム。
※流れる曲「マタ・ハリの記憶」には最後の最後で※思いきり泣かされた。
*****
アルマンが格納庫に行くと、少年兵士のジャークが不安に怯えていた。彼は、任務のため偵察に行くのが怖いという。アルマンは同僚パイロットらと一緒にジャークを励ます。
『If You Fail/추락할 땐』(アルマン、ジャーク、アンサンブル)
♪墜落するときは英雄らしく、誰よりも男らしく
墜落するときは勇気と自由を
我らの人生最後の戦争♪
(映像の後半は二幕に出てくる曲なので、このシーンには関係ない)
*****
この曲、とーっても好き♡
詩はとても悲しいのですが、悲観的にならないメロディーがいい。不安がっていたジャークもこの歌で気持ちを強くする。
*****
ところが、次の瞬間、アルマンの前にラドゥ大佐が登場。
マタ・ハリとアルマンの※出逢いは偶然ではなかった。すべてはラドゥによって仕組まれたことで、※アルマンは自分の任務を遂行したに過ぎない。
※マタ・ハリの心をつかみ、彼女のことを調べ、自分自身がスパイとして適任者だと信じ込ませること。※それがアルマンに与えられた任務だった。
アルマンは上司のラドゥに報告する。
※「マタ・ハリは自分たちの出逢いを偶然だったと思い込み、彼女への感情も本物だと信じている」※と。
アルマンは※出逢った日から今日まで監視してきたマタ・ハリに関する報告書※を提出する。ラドゥはアルマンに※これ以上マタ・ハリと親しくならないよう※警告する。
そんなことも知らず、マタ・ハリはスパイになることを決意。
危険を感じたアンナは止めるが、マタ・ハリは知っていた。ラドゥに従わなければ、アンナにも害が及ぶであろうことを。
この日、マタ・ハリの招待で、アルマンが初めて彼女の舞台を見に来た。
彼女は普段の自分から“マタ・ハリ”へと変わっていく姿をアルマンに見せる。アンナ以外の人に初めて見せる自分の本当の姿だった。
『Becoming Matahari/마타하리가 되다』(マタ・ハリ)
マタ・ハリの着替えを待っている間、アルマンはダメだと思いつつ、彼女に惹かれていく自分に気づく。
『Didn't Mean To/안 되는데(アルマン)
*****
このあたり、とても残酷なシーンだと思った。まるで少女のようにアルマンに恋をしているマタ・ハリと、真実を打ち明けられないアルマン。二人を見ていると胸が痛む。
*****
ラドゥの事務室では、将校から「ドイツの暗号を解読した」と報告が入る。
その頃、マタ・ハリが到着。ラドゥはドイツ軍上級司令部のフォン・ビッシング大佐を誘惑し、彼が持っているフランス攻撃計画の情報を手に入れるようマタハリに命じる。
ラドゥから渡されたカメラ入りのペンダントと、睡眠薬の入った指環を手に、マタ・ハリはフォン・ビッシングを誘惑。
フォン・ビッシングからも「ドイツのスパイにならないか」と持ちかけられるマタ・ハリだったが、彼を眠らせ、任務を成功させる。
重要な情報を手に入れたマタ・ハリはすぐにパリには戻らずリヨンにある小さなホテルでアルマンと逢う。
感情を抑えようとするアルマンだったが、もはやマタ・ハリに恋したことを認めるほかなかった。二人はこのホテルで幸せな時間を過ごす。
マタ・ハリが戻ってこないことに激怒したラドゥは、アンナを脅して行方を聞こうとしていた。そこにマタ・ハリが戻ってくる。
フォン・ビッシングから得た情報をマタ・ハリから受け取ったラドゥは、今まで抑えてきた感情に火がつき、マタ・ハリに強引にキスしようとする。嫌がるマタ・ハリを助けたのはアンナだった。
*****
本作においては悪役のラドゥーだけど、ちょっと胸キュンのシーンかも♡
*****
少年兵士ジャークの行方を捜すアルマン。けれど誰もその行方をを知らないという。
そこにラドゥが現れ、※マタ・ハリの2日間の行方について聞くが、※アルマンは「ベルリンにいた」と嘘をつく。
そんなアルマンにリヨンのホテル宿泊証を見せるラドゥ。
※アルマンが任務を忘れ、彼女と親しい関係になったこと※を非難する。
『Man To Man/남자 대 남자』(ラドゥ&アルマン)
アルマンもまた「大佐も彼女に私的な感情を持って嫉妬している」と言い返す。
ここでラドゥはアルマンに、危険といわれているドイツ軍の占領地ヴィッテルへの偵察任務を指示する。
それはアルマンが生きては戻ってこられないであろう場所。また、兵士によってジャークの死亡が報告される。
*****
この歌、しびれるわー。
残念だったのは、この日、ラドゥ役のリュ・ジョンハンが元気なかったことw
ソン・チャンウィがYou Tubeの映像と違って絶好調なのに対し、リュ・ジョンハンの感情がイマイチ爆発せず、このナンバーの魅力が半減した。
*****
あとで聞いた話では、この日のリュ・ジョンハンの緊張は半端じゃなかったとのことw
それはそうよね。
この日、レセプションパーティの会場もそうだったけど、韓国のみならず、世界中のミュージカル界の代表が集まり、作品も観劇したのだから。
作曲家のフランク・ワイルドホーンも観劇
そんなこんなで一幕のリュ・ジョンハンは元気がないというか、いつものような歌声を発揮できず。そういう部分も含めて、舞台ってやっぱり生モノなんだなーと思った。
その頃、ベルリンではフォン・ビッシングが、マタ・ハリのスパイ行為を知って激怒。彼はマタ・ハリに復讐しようとする。
何も知らないマタ・ハリは飛行場でアルマンと逢っていた―
『Some Place/어딘가』(マタ・ハリ&アルマン)
ヴィッテルに向かうアルマンを心配し、涙するマタ・ハリだが、この任務が生きて戻ってこられないほど危険だとは知らなかった。
また、ラドゥとフォン・ビッシングによって、これから自分が危険に陥っていくことも、このときの彼女はまだ知らない。
*****
よくよく考えると、飛行場での別れはとても悲しいシーン。アルマンの身を案じながらも、彼が戻ってくることを信じて疑わないマタハリ。
それに対してアルマンは生きて戻ってこられないことを知っている。
同じように別れを悲しむ二人なのに、違った思いを胸に秘めていたわけ。
*****
<一幕>終了。
以上。
かなり長くなってしまった。この調子で二幕もイケるかな。
ダメかもしれない(笑)。