今週、超大作ミュージカル『MATA HARI マタハリ』のワールドプレミア一幕と二幕の報告をした。
ご存知のように制作費250億W(約25億円)という超大作の創作ミュージカル。
それなのに、3月25(金)~27日(日)のプレビュー公演での観客の評価はイマイチ。
そこで制作会社は、本公演でストーリーや演出をガラリと変えるという荒療治に踏み切ったという。
私が見に行ったのは3月29日(火)、本公演の初日でまさに『MATA HARI マタ・ハリ』のワールドプレミアであり、開演前のレセプション会場には本作の作曲家フランク・ワイルドホーンはもちろん、世界各国からミュージカル界のトップが集まっていた。
華やかなレッドカーペットをマタハリ役のキム・ソヒャンやラドゥ役のキム・ジュンヒョンさん、またアルマン役のチョン・テグン(VIXXのレオ)が涼しげな表情で歩いていたが…。
アルマン役のチョン・テグン(VIXXレオ)
この日、キャスティングされていたマタハリ役のオク・チュヒョン、ラドゥ役のリュ・ジョンハン、アルマンのソン・チャンウィは楽屋で新たな演出を確認しながら、バッタバタの時間を過ごしていたのかも。
そもそもプレビュー公演から中1日、空けただけの本公演。時間的余裕もなかっただろうから。
これまで長いこと稽古で覚えてきたものが、短期間でガラリと変わるという。
役者さんたちの負担の大きさは半端じゃなかったと想像する。
そんなこんなで、幕を開けた『MATA HARI マタハリ』本公演。
演出を変えたものの、その評価はやはり芳しくなかったようで。韓国の記事に掲載された「決定的に何かが足りない。」
この一言がこの日の公演を象徴していたように私も思った。
そんなわけで、せっかくご招待いただいたのに、さほどハマらなかった『マタハリ』なんだけど…。先月見に行くと、さらに変化していてビックリ!
曲は変わっていないが、ストーリーが散漫に感じられた3月と違い、いい感じに仕上がっていた。これから観に行かれる方は楽しめるんじゃないかと思う。
『MATA HARI マタ・ハリ』2回目のキャスト
この日はキム・ジュンヒョンさんのラドゥー大佐を見ることに。
マタ・ハリ役は前回と同じくオク・ジュヒョン
私が行く前の週、ついに喉の調子を悪くし、休んだみたい。
ただ、もう一人のキム・ソヒャンもとても評判がいいので、どちらで見ても楽しめそう。
ラドゥー役のキム・ジュンヒョンさん
ジュンヒョンさんも先月中旬は調子悪かったようだけど、私が行った日は絶好調だったと思う。
役もピタリとハマっていてカッコ良い。ジュンヒョンさんのためにあるような役だと思った。
マタ・ハリにスパイになるよう持ち掛けるシーンではリュ・ジョンハンと同じく、本当に短いシーンだけど、タンゴ調のダンスを踊る。
大事なことを依頼するのに、なぜタンゴを踊るのか。
この日もワケ分からなかったけど(笑)、ジュンヒョンさんもダンサーに合わせて少しだけ踊る。
アルマンはこの日もソン・チャンウィ
とても素敵にアルマンを演じているので、ソン・チャンウィ以外でアルマンを見る理由が今のところ見つからない。
今回は、本作で私の好きな曲BEST3とともに、前回との違いを書いておく。
前回までと同じく「ネタバレあり」なので、知りたくない方はここでストップしてください。
3位 From Way Up There/저 높은 곳(アルマン&マタ・ハリ)
アルマンとマタ・ハリの出逢いのシーンで歌われる曲。
3月と大きく変わったのは、二人のラブラブ度がUPしたということ。キスの回数も増えた。
この変化は、すごく重要。
マタハリとアルマンがイチャつくほど、二幕で残酷な事実を知ったときのマタ・ハリの悲しみがよりリアルに伝わってくるので。
「あぁ、マタ・ハリってば、アルマンのことが好きで好きで仕方ないのね」と思えたことが、先月のラストシーンの涙につながったのかも。
ただ、アルマンのコミカル度がUPしたのに対し、マタハリが酔っ払いを追い払うシーンは前回のほうが面白かった。
この日のマタハリも「ヤーッ」と、酔っ払いを追い払うけど、言い方が可愛らしくなっていて、あまり笑えなかった。
やっぱりオク・チュヒョンは、前回のメスゴリラ風の迫力ある動きのほうが面白い。
いずれにしても、オク・チュヒョンとソン・チャンウィを見ていると、この二人は本当に付き合っているのではないかと思えるほどのラブラブぶり♡
男勝りのオク・ジュヒョンが少女のように可愛い。
2位 If You Fail/추락할 땐(アルマン、ジャークほか)
アルマンと仲間たちが少年兵士のジャークを励ます曲。
正直、本作の曲は好みが分かれるところ。
歌い上げる歌が多く、どれも似たような曲に聴こえる中、とても特徴的な気がする。
ここで中心となっているジャークが帰らぬ人になるあたりも悲しい。
1位 Man To Man/남자 대 남자(ラドゥ&アルマン)
映像と違い、生で聴くジュンヒョンさんとソン・チャンウィのコンビは鳥肌モン。
しかも、ソン・チャンウィのアルマンが怒りで椅子を床に「ゴン!」と叩きつけるシーンに彼の感情が表れていて、すっごくいい。前回、そこまで感情をむき出しにすることはなかったから。
ラドゥの命令によって、二度と生きて戻って来られない危険な場所に送られる怒り。
“椅子ゴン”の動き一つで、ラドウの命令を受け入れるしかないアルマンの憤りが感じられ、それゆえに次のシーンで、何も知らずアルマンの名を呼び、探しに登場するマタハリの姿が悲しくて泣けてきた。
…って、好きな曲を挙げてみると全部、一幕だしw
しかも、アルマンの曲ばかり。マタハリの曲が1曲もないw
<二幕>では、真実を知って病院を飛び出したマタハリとアルマン、そしてラドゥの3人で歌う「What Am I To Do?/이제 어디로」が好き♡
シビれる。
マタハリのソロをあえて挙げるなら…
最初に歌う「I Won't Go Back/돌아갈 수 없어」と・・・
最後に歌う「One Last Time/마지막 순간」かなー
(この映像の3分5秒あたりから歌う曲)
ラドゥーのソロに関しては、曲調がどれも似ている気がして、特にコレ!というのがなかった。まぁ、これは人それぞれかと思う。
ちなみに、リュラドゥとジュンヒョンラドゥは・・・
やはり明らかに二人のキャラが違っている。
私が見たのはワールドプレミアの、緊張しまくっていたリュラドゥなので比べようがないけど、ジュンヒョンさんのラドゥは簡単にいえばツンデレのオレ様キャラ。
なので、最後の曲で涙を流しながら歌っているのを見たとき意外な感じがした。
リュラドゥとはキャラや動き以外に、セリフも違うそう。
物語と全然関係のないところでは、マタ・ハリの呼び方が気になった。
アンナがマタ・ハリのことを「マタ~」と呼ぶんだけど、何ともマヌケな感じがする。
名前だけで呼ぶと「マタ」で正しいのかもしれないが、日本人の感覚だと、つい「股」と漢字変換しがちだし、苗字が「ハリ」になるのかと思うと、それも解せない。「マタハリ」でいいんじゃないかとも思った。
と、今週は韓国ミュージカル『MATA HARI マタ・ハリ』についてアレコレ書いてみたけど、これから観に行かれる方にはぜひ楽しんでいただけたらと思う。