もっと早くに触れたかったんだけど、まだ公開中でよかった(汗)。
映画『カエル少年失踪殺人事件』。
妙なタイトルに思われるかもしれないが、韓国の3大未解決事件のひとつ。興味のある方はぜひ劇場へ。まだ間に合うから。
『カエル少年失踪殺人事件』
(原題:『子供たち…』)/2011年/韓国/132分)
©2011 Noori Pictures
3月24日(土)よりシネマート六本木で公開中、シネマート心斎橋でも公開が決まっている!
詳しいあらすじや公開情報等は公式HPをご覧ください。
映画あらすじ
事件が起きたのは1991年。統一地方選挙日の大邱。
「カエルを捕りに行く」と言い残して出かけた5人の小学生
この子どもたちが一度に行方不明に。
前代未聞の事件。最初は軽く考えていた警察もやがて本気に。
一斉捜査が始まる
特ダネをスクープしたいテレビ局の記者
事件を分析するファン・ウヒョク教授
知は力なり。
教授の言葉には妙な説得力があるが、おごりが関係者たちを混乱させてしまう。
疑惑の目を向けられた被害者の父親
終盤、夫婦が抱えていた苦悩が明らかになるシーンに胸が痛んだ。
女優キム・ヨジンの姿に涙がこぼれ落ちる。子を失った母親の胸中が痛いほど伝わってくるシーンだった。
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そもそも真犯人がわかっていない未解決事件。
韓国の3大未解決事件といえば、『殺人の追憶』で描かれた華城連続殺人事件。91年に江南で起こった少年の誘拐殺人事件。これは『あいつの声』という作品になった。
そして5人の少年が一度に姿を消し、数年後に遺体が見つかったという本作『カエル少年失踪殺人事件』。思うに、この『カエル少年~』の事件が一番謎というか。どんなに考えても理由がわからない。
残念なのは、どの事件もすでに時効を迎えていること。
今さら犯人が名乗り出る可能性は極めて低く、果たして事件の真相が明らかになる日が訪れるのかどうか。こればかりは分からない。やりきれない気持ちになる。
ただ、映画化された3本を見て「不完全燃焼」のような物足りなさは一切感じない。ここがスゴイところ。
最後まで真犯人が分からないにもかかわらず、見終わった後にガッカリ感がないのは、練りに練った脚本と俳優の演技力、監督の演出力によるものだろうか。
1991年の事件だけど、もしこの事件が韓流ブーム以降に起きていたら日本でも大きく報道されていたに違いない。
まるでコメディを思わせるような邦題については「ひどすぎる」「センスがない」なんて厳しい声も聞かれるが、韓国では実際「カエル少年失踪事件」と呼ばれているし、このタイトルだから気になったという人もいるはず。
いずれにしても秀作ミステリー。けど後味はかなり悪い。
オススメ度 ★★★☆☆